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01-12 16:18

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社外取締役の活用

社外取締役の選任義務化は見送られましたが、今回は、社外取締役の活用について考えてみましょう。

社外取締役の選任義務化は、もともとオリンパスや、大王製紙などで不祥事が相次いだことから、株主の利益の保護の観点から、上場企業に対して外部の目によるガバナンスを強化しようということから始まりました。

しかしながら、反対が相次いだことにより法制化は見送られました。

確かに、導入を強制される企業からすると、メリットよりもデメリットの方が多いように思いますので、反対の声についても理解は出来ます。

ここまでは、主に上場企業についての話ですが、一方、中小企業の視点から見た場合はどうでしょうか?

その前に、そもそも、取締役の役割、職務というのはどのようなものであるかを整理してみましょう。

ここでは、会社法における一般的な役割や責任の話は割愛して、実務的な面に焦点を当てたいと思います。

まず一番わかりやすいのは、体外的な交渉における肩書きとしての効用があります。重要な案件の交渉、クレーム対応においても部長という肩書きよりは、取締役という肩書きがつくこと
によって、交渉相手に与える印象はずいぶん違ってきます。当方の、その案件に対する重要度を暗黙に交渉相手に伝えることが出来ます。

ほとんどの、会社においては上記のような形での役割が多いように思います。

それでは、視点を変えて社内ではどうでしょうか?当然、部長よりも取締役の肩書きがついた部長の方が役職が上であることは理解できます。しかしながら、業務内容は、取締役も部長が同じような仕事をしており、違いがわかりにくくなってきます。

実際には、取締役が実質的には、部長。部長が課長といった形が社内的な役割になっているケースが多いように思います。その結果、取締役会を開催していても、社内の部長会のような
内容になってしまうのです。

このようなこと状態になる原因は、それぞれの部署、役職者の業務が整理されていないことにあります。
この点ついては、次回の「チームワーク」についてもう少し説明したいと思います。

それでは、取締役及び取締役会の役割を整理してみましょう

1.社内の重要な案件については、取締役会で検討、決議をする
2.新規事業、事業の撤退の判断をする
3.会社の中長期的方向性を検討、決議していく
4.社内の重要ポジションの人事について決議をする
5.対外的に責任を負う(対外的な損害賠償リスクを回避する)

いかがでしょうか?実務的な面で他にも考えられますが、一般社員、部長とは随分、役割が違うと思いませんか?このように、現場における実務面と重複しないように業務を整理することで、社内の業務の重複をなくしていくことができます。

とはいえ、社内のメンバーだけでの取締役会ですと、どうしても、いつもの社内ミーティングのような雰囲気を排除するのは難しいので、そのためも、社外取締役を活用するということが非常に有効です。

社内でどうしても手薄になっている業務知識の補完、業界における全体の同行、興味のある新規事業に関する検討のためにも、是非、社外取締役の活用をおすすめします。

また、社内の重要な案件に関しても、社外の人の意見、見識を活用する。重要ポジションの人事案件についても社外の意見、見識を活用するということで、経営陣の視野も広がっていくことになります。

我々のコンサルティングも、社外取締役の形で参加させていただくことで、より適切なコンサルティングが提供可能になりますので、ご興味のある方は、是非、ご連絡ください。

スタートアップの経営者の皆様へ

起業したての時期は、とにかく売上の獲得に注力し、出来るだけコストはかけずに事業を進めていく必要があります。

そのためには、経理のスタッフを始め本部スタッフを雇う余裕も無いものです。

そのようなときには、経理の記帳代行サービスを活用することもひとつの方法です。

しかしながら、毎月の経営実績数値の確定が遅かったり、数字だけはわかっても、詳細の分析が出来なければ、
自社の問題点の分析、事業の方向性を決定することは出来ません。

そこで、財務コンサルティングを提供している弊社のような経理の記帳代行サービスを活用いただくことで、コンサルティングに必要な切り口で記帳代行サービスを提供することが出来ます。

また、、経理業務については、社長自身が担当する、もしくは、奥様、息子様に手伝ってもらうことも非常に良い方法です。
これにより、外部に資金を支払わずに、身内でプールすることを可能となります。個人の資産の蓄積は、万一、会社の資金繰りが厳しくなったときのためにも大切なことです。

スタートアップの段階は、時間も比較的あるので、この時期に、経理をはじめ、数字に関する知識を身につけることで、事業が立ち上がってきた際に、非常に役立つことになるでしょう。

何よりも、最悪の場合、自分一人で会社の業務を一通りできるようにしておくことで、生き残りのためのリスクヘッジができる。

そのために、弊社においては、経営者自身を対象にした社長塾、ならびに、経営分析も含めた経理担当者向けの
研修も実施しております。

社長塾においては、

1.BS、PL、キャッシュフローの読み方
2.年度予算の作成方法
3.中期経営計画の作成方法
4.財務分析とその中で発見した課題への対処方法

経理担当者向け研修として

1.自社にあった経理業務の指導
2.BS、PL、キャッシュフローの読み方
3.分析に必要なKPI、切り口の指導

ご興味のある方は、お気軽にご連絡ください。

中小企業向け財務コンサルティングサービス

中小企業の経営者の皆様は、自社の経営について相談出来る方が社内にいない場合がほとんどです。
また、コンサルタントを探すのも一苦労です。突然に問題が発生して弁護士を探したい、専門的な税務に対応出来る税理士さんを探したという状況になってから、動き始めてもそんなに簡単に適任な先生を見つけることは出来ません。

そんなときは、是非、財務コンサルティングサービスの導入をご検討ください。

中小企業の場合は、資金調達が最も大事な課題ですので、現在の御社における財務的な面での課題の抽出、中期経営計画の作成も含めての財務コンサルティング、いつでも気軽に経営相談をしていただける関係を構築させていただきたいと思います。

月額顧問契約制で、社員を新たに採用するよりも安価にサービスを提供したいと思います。財務に限らず、幅広い範囲でお気軽にご相談ください。

長年、経理財務を中心に管理部門全般も担当してきましたので、経理、総務、人事面についてもある程度の知識とネットワークはありますので、相談内容によっては、おつきあいのある弁護士さん、税理士さんも交えて最適なサービスを提供させていただきます。


当ブログにおいても、私の経営に関する考え方を書いておりますので、ご一読いただけたらと思います。

「率」と「額」

数字を見るときには、「率」と「額」の両方を意識して見る必要がある。

例えば、売上の前年比を見ていても、この数年、売上は低下傾向(前年割れ)が続いている。

しかしながら、今年に入ってからは、前年比で100%を超える月が出てきている。前年比の報告が毎月100%を超えくると業績が伸びているようなような錯覚に陥る。ここに、比率を使った時の注意点がある。

たとえば、

2008年  1000

2009年   900 前年比    90%

2010年   800 前年比  88.9%

2011年 820 前年比 102.5%

前年比を見ると102.5%だと、かなり売上が伸びているように見えるが、金額ベースで見ると、まだまだ回復途上である事がわかる。前年比も大切であるが、金額ベースでの比較も忘れてはいけない。

同様に、ROE、ROI、IRRといった利回りを表す経営数値がある。これらも、利回りがいくら高くても金額が小さければ、意味をなさない。

たとえば、

ROE  25%   と ROE 5% という数字を見ると、当然ROE25%の会社の方が効率が良く見える。

しかしながら、金額ベースで見るとどうだろう。

株主資本  100万円      10億円
当期利益   20万円     0.5億円
ROE    20%        5%

ROE20%の案件(会社)は、資本効率はいいかもしれないが、金額ベースでインパクトがあまりにも違いすぎることがわかる。率だけでは、効率性はわかっても重要度が見えにくくなる。

これは、他の指標においても同様の事が言えるので、数字を見るときは、「率」と「額」、両面で数字を捉えるように心がけたい。

WACCについて

資本コストについては、過去に数回にわたって解説してきました。

今回は、実際の実務でどのように使うのかについて書きたいと思います。

まず、最初に資本コストは、何%に設定したら良いのか?

これについては、WACC(加重平均資本コスト)を使います。

WACCは、株主資本コストと負債資本コストを加重平均して求めます。

<例題>

株主資本の額  300  株主コスト  6%   借入金 200  金利2%

教科書には難しい式が出てきますが、以下の計算式で大丈夫です。

(株主コスト+支払利息(税引後))÷(株主資本+借入金)

=(300×6%+200×2%×(1-税率40%))÷(300+200)
=(18+2.4)÷500
=4%

株主資本は、BSにおける純資産額(資本の部)の数字になります。

つまり、WACCは、あなたの会社の現時点の株主資本と借入金の額を元に算出します。実務上は、直近決算期の数値を使用する場合が多いと思います。

ここで算定したWACCを使って、投資案件、事業の評価をしていくことになります。

さて、ここで一度整理しますと、

資本コストは、WACCを使います。つまり、資本コスト=WACCですね。DCFにおける割引率もWACCを使います。
また、EVAにおける投下資本コストにもWACCを使いますので、言葉が違えど、全て同じ事を言っている事がわかります。

前回にもお話ししたように、

株主コスト、株主の期待利回り、DCFにおける割引率、EVAにおける投下資本コストは、それぞれ、投資家から見たとき、企業側から見たときによって、コストという表現になったり、リターンという表現になったりしているだけで、全ては同じことを言っているのです。

このことを理解すれば、色々な解説書を読んだ時に、それぞれ表現が違ったり、考え方が違ったりして混乱した場合でも自分なりに整理できるようになると思います。投資家からの視点で書かれた本と、企業実務者の視点から
書かれた本とでは、表現が違ってくるのです。

最後に補足ですが、WACCを算定する際に、株主資本は、BSの簿価数字ではなく、時価総額を使うように解説
されている場合もあります。これについても、実務的に、どちらの方が、自分たちの実務に合うかを判断して使用したら良いと思います。

ファイナンスの勉強を進めると、このような事はよくありますが、あまり難しく考えずに、自分の考えに一番合うものを使うという程度で良いと思います。

残余利益

前回、資本コストの説明をした際に、「残余利益」という言葉が出来てきました。

残余利益という言葉は、PLにもBSにも出てこないので、初めて聞いた方もいらっしゃるかと思います。

企業が、事業活動をする際の資金の調達先として株主(株式)、金融機関(借入金)があげられます。通常のPLでは、金融機関から調達したコストである支払利息は計上されているが、株主コストは計上されておりません。

残余利益は、通常のPLの当期利益から、株主コストを控除したものになります。

この残余利益の概念を理解しておくと、今後、ファイナンスの勉強をすすめるにあたり理解が深まります。

残余利益は、「EVA(Economic Value Added):経済的付加価値」と呼ばれるときもあります。
「EVA(Economic Value Added)」は、米国のスターンスチュワート社の登録商標となっておりますので、書籍によっては、「経済的付加価値」、「残余利益」と表現されております。
厳密には、EVAは、リース、研究開発費等については、独自に調整を加えて計算する部分もあるので、通常のBS、PLを使用しないという違いもありますが、債権者と株主に対する
資本
費用を控除した後の利益という意味においては同じものとなります。

残余利益という言葉は聞きなれない方もいらっしゃると思いますが、ROE(株主資本利益率)という指標はポピュラーなのでご存知の方が多いと思います。ROEは、比率(%)で表現されますが、残余利益は、額で表したものと考えても良いかと思います。

例題

株主資本 1000 当期利益 200 目標ROE 10%(株主コスト)

当期利益   200
株主コスト  100(1000×10%)
残余利益   100

目標ROE10%に対して、実績のROE20%。額にして100利益を余分に稼いだ。
という形になります。

経営分析、ファイナンスの世界では、同じようなものを、違う名称で呼び合うので混乱するときがありますが、この点についても、今後、気をつけながら解説していこうと思います。

資本コスト

前回、最適資本構成について書きましたが、その中で、資本コストという言葉が出てきました。
この資本コストという言葉が、ファイナンスの勉強をしていて、非常にわかりにくいという意見をいただきましたので、今日は、資本コストについて書いてみたいと思います。

資本コストとは、企業が事業を行う際に、調達した資本に対して支払うことが期待されるリターンを指します。
資本コストは、自己資本(株式)コストと他人資本(負債)コストの二つに区別できます。他人資本コストは、一般的には支払利息になります。

コストとリターンという表現もわかりにくい手と思いますが、調達(会社)側からみるとコスト。貸し手側から見るとリターンとなります。

資本コストについて、前回、最適資本構成で使った例でご説明します。

投資金額 1000万円  株主資本コスト 6%  支払金利 2%

<自己資金(50%)+借入金(50%)で調達>

売上高      1000
原価        500             
経費        300             
営業利益      200             
支払利息       10(500万円×2%)
経常利益      190
法人税等       76(税率40%)
当期利益      114
株主コスト      30(500万円×6%)
残余利益       84


上記のケースを資本コストを使ってご説明しますと

資本コスト=(株主コスト+支払利息(税引後))÷投資(調達)金額
※例題にあわせて、わかりやすい形で表現しております。

なので

500×6%+500×2%×(1-税率40%)/1000
=30+6/1000
=3.6%  

となります。

この資本コストを用いて、例題の投資案件を試算すると

売上高      1000
原価        500             
経費        300             
営業利益      200
法人税等       80(税率40%)
当期利益      120
資本コスト 36(1000×3.6%))
残余利益       84

となります。どうですか?結果が一致しましたね。

前回は、支払利息、株主コストの計算を個別にしましたが、今回は、資本コストだけで答えが出ました。つまり、資本コストとは、株主コストと支払利息の両方のコストを含んだものである事がわかります。

資本コストを使うメリットは、個別案件毎の資金調達方法を考慮しなくても良くなる事です。

例えば、今回の例に使用した投資案件でも、100%自己資金の場合と、100%借入金で調達した場合とでは、残余利益が変わります。(最適資本構成の記事を参照)また、自己資金と借入の調達割合が変われば、残余利益は変動します。

しかしながら、本来、投資案件の利回りは決まっており、資金調達方法によって利回りが変わるのはおかしな話です。

そこで、資本コストを使用することで、投資案件における資金調達方法は考慮せずに、全ての投資案件において、等しく資金調達に必要なコストをチャージする事で、投資案件毎の比較が出来るようになるのです。

ちなみに、ここ数回で出てきた残余利益という言葉は、なじみが薄い言葉だと思いますので、次回は残余利益について解説したいと思います。また、資本コストについて実務上の取り扱いについても解説したいと思います。

資本構成と企業価値

前回、最適資本構成について書きましたが、今回は、実際に数字を使って検証したいと思います。ブログにEXCELシートが貼れるかが不明であったので、見辛いと思いますが、文章でまとめてみました。

前提条件を以下のとおりとします

投資金額 1000万円  株主資本コスト 6%  支払金利 2%


<自己(株主)資金(100%)で調達>  

売上高      1000
原価        500             
経費        300             
営業利益      200             
支払利息        0
経常利益      200
法人税等       80(税率40%)
当期利益      120
株主コスト      60(1000万円×6%)
残余利益       60

<自己資金(50%)+借入金(50%)で調達>

売上高      1000
原価        500             
経費        300             
営業利益      200             
支払利息       10(500万円×2%)
経常利益      190
法人税等       76(税率40%)
当期利益      114
株主コスト      30(500万円×6%)
残余利益       84

<借入金(100%)で調達>

売上高      1000
原価        500             
経費        300             
営業利益      200             
支払利息       20(1000万円×2%)
経常利益      180
法人税等       72(税率40%)
当期利益      108
株主コスト      0
残余利益      108

いかがですか?

残余利益とは、株主のコストを差し引いた後に残った利益の事になりますが、比較すると不思議な事に気が付きますね?

当期利益が一番少ないのは、借入金(100%)で調達したケースですが、残余利益が一番多いのが、実は、借入金(100%)で調達したケースになります。

つまり、借入金の比率が高ければ、当期利益は悪化しますが、会社に利益が最も残るケースになる=企業価値を高めるケースになるということです。

このケースを会社のBSで考えると企業価値となりますが、負債比率が高ければ高いほど企業価値が高くなる事がわかると思います。つまり無借金経営の会社よりも適度に負債を持っている会社の方が企業価値が高くなるという
ことがわかります。

ところが、あまりに負債比率が上がってくると、倒産の可能性が高くなってきますので、支払金利も上昇してきます。株主としても普通の会社よりも高い利回りを求めてくるでしょう。そうなってくると、企業価値は当然で
すが下がってきます。(資本コストが上昇する)以上の事から、負債比率は高いほど良いが、健全な範囲内でコントロールすることが、最適資本構成を考えるにあたって大切です。

最適資本構成について

最適資本構成とは、資本コストを出来るだけ小さくするための資本構成のことである。

資本コストは、株主資本コストと負債コストから成り立っているが、負債コストとは、一般に支払利息の事である。現在の金利情勢からみてもわかる通り、負債コストは非常に低くなっており、支払利息は、経費(損金)として認識されるのでその分法人税が軽減(節税効果)されることにより、株主資本コストよりもさらに低くなります。

以上の事から、資本コストを出来るだけ小さくするためには、負債の比率を上げることになります。つまり、借入金を意図的に増やす(負債比率を上げる)ことで、資本コストが下がり企業価値は上昇するのです。

M&AにおいてLBOが一時かなり流行した事も、このような理論が背景にあります。ところが、LBOに関しては、買収後に業績が悪化し、企業価値が低下したケースも多く出ました。

つまり、最適資本構成を考える際は、負債の比率を引き上げるということは正しいが、常識的に考えて借入金が多い会社というのは、倒産する確率が上がります。それは、業績が悪く倒産直前の会社は借入金が多くなっている事からもわかります。そこで、実務的には、安全な範囲で可能な限り負債比率を引き上げる。
という事になります。

負債比率は、どれぐらいが適正かという回答は無いのですが、例えば

1.外部格付評価機関による格付を悪化させない程度にする

2.以前資金繰り対策でご紹介したように、債務償還年数10年、月商の3倍程度の借入金を目安にする

3.金利が上がらない程度の借入金残高を目安にする(金融機関とのコミュニケーションで決める)

と言った事が考えられます。

少なくとも、理論的には、やみくもに無借金経営を目指すよりは、適度な借入金残高を維持している方が企業価値が高まる事は確かです。

資本構成により企業価値がどう変わるかは非常におもしろいので、興味がある人は、自分で試算をしてみると楽しいですよ。次回は数値面での検証、解説をしてみたいと思います。

株価算定と株式投資について

私は仕事の関係で、株価算定をよくやっている。もちろん、自社の株価についても適正株価なるものを算定する。

一方、個人的には株式投資、FXもやっている。

株価算定が出来るのであれば、さぞ、儲かっているのではないかと思われるかもしれないが実は、個人で株式投資をする際は、テクニカル分析(というよりもチャートのみ)に基づきトレードをしている。

これについては、私もある時期色々と考えた事がある。ファイナンス理論は、非常に素晴らしい。
芸術的でさえあると思う。ところが、自社の株式を評価した際に、大きくGAPが発生している事はよくある。自分の計算が間違えてるのだろうか?ファイナンス理論がおかしいのだろうか?

チャートだけで取引きをするという事は、その会社の財務状態、業績は全く無視してトレードをするという事である。もちろん、銘柄を選定する際に、多少、財務状態ぐらいは確認するが、いざ、トレードを始めるときは、チャートだけで判断する。

そうすると、ファイナンス理論は、結局何の意味があるのだろう?と疑問に思った時期がある。

ファイナンス理論における株価算定は、基本的にはDCF法を使う。DCF法は、将来発生するであろうキャッシュフローと割引率によって企業価値が決まる。ということは、将来発生するキャッシュフローをどう見込むか?割引率をどう見込むか?により株価は決まる。

ところが、割引率は、WACCを使うので割引率で大きなGAPは発生しない。
ということは、一番影響を与えるのは、将来のキャッシュフローをどう見込むかが一番重要であることがわかる。

私とあなたと、もしくは機関投資家と、同時にある企業の株価を算定したとしても、おそらく株価算定の結果は、みんなバラバラになるが、それは、その企業の将来の収益(キャッシュフロー)をどう見ているかが違うからである。

私は自社の事は一番わかるので、自社の株価算定は比較的正確に出来る立場にあり、まさにこれがインサイダー取引の規制の対象になる所以である。私が算定した自社の株価と、市場の株価に乖離があるということは、業績の将来見通しについて、我々と市場とは違った見方をしているということがわかる。株価が不当に低い時は、市場は当社の業績はもっと悪くなる事を織り込んでおり、株価が異常に高い時は、当社の業績の成長性をどの程度期待されているのかがわかるのである。

その事に気付いた時、ファイナンス理論の便利さと、株価を通して、マーケットと対話をするという事がどんなことであるかを知り、非常に感動したことを覚えている。

TSR(Total Shareholder Return):株主総利回り

TSRとは、株主価値をあらわす指標で、キャピタルゲインと配当利回りを考慮して求められる。

最近はあまり聞かなくなってしまったが、考え方はおもしろいと思う。

株主は、株価が上がるか、配当を受取ることで利回りを確保する。そこで、当社は、どれぐらいのTSRを目指しているかを明確にすることで株主に対するメッセージを発信する事が出来る。これは、一般投資家だけでなく、持ち株を保有する社員株主に対してもわかりやすいメッセージとなる。

例えば、TSR10%を目標として設定した場合、1定期間で、時価総額が10%上がればクリアした事になる。ところが、株価は、意図通りには動かない。市場環境の影響も受けるので、株価が思うように上がらなかった場合、配当で株主の利回りを埋める事が出来る。

ROEよりも、もう少し踏み込んだ事が出来る。

ただ、あくまでも概念的なもので、あまり固執するとおかしなことになるので注意が必要だ。

自社の利益目標や、配当の目標額を決める際に補助的に使用するぐらいであろう。

一般的には、投資家が、どこの会社に投資をするかの判断のためにTSRを算出し一覧できるリストにして使用されている事が多い。

なお、余談であるが、ファイナンス理論においては、配当を出すと、その分時価総額が下がるので配当を出すか出さないかの判断で、株主の価値が変わる事は無い。

むしろ、自社の株主は、配当を定期的に受け取りたいのか、配当金に課税されるのが嫌なので配当は無しで株価が上がって欲しいのか、株主の属性も考慮して配当政策を考える方が良い。

投資のススメ

CFO、経理部長といった職種の方は、守りの仕事をしている事が多いためか、意外と株式、為替、不動産といった投資をやらない人が多いように思う。

私は、何も財産を投げ打って博打をする必要はないと思うが、ひと通りの投資については、経験する事は非常に大切だと思う。

株式投資を始めたら、株価は、日経平均株価に連動しているということがわかる、日経平均は、前日の米国の株式市場の影響を受けている事がわかる。また、為替も円高になると株価は下がり、円安になると株価が上がるということも実感する。

このような事は、投資をしていない人からすると、記事やニュースとしては接することがあっても、実感が湧きにくいだろう。

金利が上がるとその通貨は上がり、他の通貨は下がる。米国の雇用統計、FOMCの日程、住宅着工件数の増減、金融の引き締め、緩和といったことが、どのような影響を与えるかも自然と身についてくるので、そのためにも、実際に、自分のお金を使って投資を経験することは非常に大切なことだと思う。

投資をしない人には、ほとんどのニュースは自分には関係ないかもしれないが、投資をしている人にとっては、世界で起こっている色々な出来事が、自分の財産にどのような影響を与えるかを身を持って知る事が出来るのである。


バーチャルではダメなのだ。出来るだけ実際に体験する事が大事なのである。事業のリスクをとることと、株式や為替でリスクを感じながら投資をすることは、同じことなのだとわかってくるだろう。
また、どのようにリスクヘッジをとるべきか、どのように撤退するべきかも、わかってくるようになる。

大納会と大発会

大納会、大発会とは、、日本の証券取引所における「1年間の取引の初日と最終日に行われる催事」のことである。大納会は、年内最後の営業日に開催され、土日祝日が重ならなかった場合は12月30日である。大発会は、新年最初の営業日に開催され、土日祝日が重ならなかった場合は1月4日である。

大発会日の取引は株価が上昇することが多い(過去20年間で日経平均株価(225種)が下落したのは2008年を含め7回)。

確かに、年を越して、しばらく株式市場も休場していると、1月4日が楽しみになってくる。その初日に、株価が
全面高で終わると、今年はいい年になりそうな気がして気分がいい。

株式投資をしている人の多くが、そのような気持ち、期待をこめてご祝儀相場が生まれるのであろう。

株式市場は、世の中の世相、景気、投資家の気持ちを反映している。大発会のように、投資家が、株式市場を盛り上げていこうという気持ちが強くなってきたら、株価は上昇する。

多くの人は、株式市場は自分には関係が無いと思っている。日本の年金の危機が叫ばれているが、年金も株式市場で運用されている
ので、株式市場が上昇するという事は、年金の運用益も発生するという事である。年金の運用も国債の金利だけでは、賄いきれないので、株式市場(海外も含む)からの運用益も重要になってくるのである。

我々にできる事は、自社の魅力を高め、自社の株価を上げる努力することで、株式市場のほんの小さな一部分ではあるが貢献すること。
そんな会社が多くなり、日本の株式市場に魅力、活力が戻ってくれば、国内、海外の投資家からの資金流入も増え、個人からの参加者も戻り、再び日本の株式市場も活性化するだろう。

来年こそは、その記念すべき1年になることを期待し、今年は締めくくりたいと思う。

みなさん、良いお年をお迎えください。また、来年もよろしくお願いします。

企業価値を高める経営

企業価値とは、その会社の価値(値段)の事である。時価総額と同じように思われるかもしれないがそうではない。

企業価値=株式価値(時価総額)+有利子負債

となる。時価総額は、企業価値の一部である。

企業価値は、その企業の「将来生み出すキャッシュフローの現在価値の合計」である。

企業価値を高める経営を目指すという事は、企業価値と投資判断、事業判断が直結している必要がある。

企業価値は、その企業の「将来生み出すキャッシュフローの現在価値の合計」になるので、新たに投資する際には、その投資が生み出すキャッシュフローの現在価値により、企業価値はいくら上がるのか?ということも計算できる。あるいは、いくら企業価値を下げることになるのかがわかる。

また、企業価値は、現在の社内の部門、あるいは店舗、子会社における「将来生み出すキャッシュフローの現在価値の合計」になるので、それぞれの管理単位において、企業価値にプラスに働いているのかマイナスに働いているのかもわかる。

特定の部門、店舗、子会社を売買する場合は、それぞれの部門、店舗、子会社の「将来生み出すキャッシュフローの現在価値の合計」よりも高く売り、安く買えば企業価値はあがるのである。

このように企業価値を高める事を意識し、投資の評価方法をしっかり確立すれば、非常に明確な意思決定がしやすくなる。

しかしながら、多くの企業は、株価を意識した経営を標榜していながら実際の実務における意思決定や事業評価は、株価や企業価値と関連しない指標を使っているため、掛け声だけで終わってしまうのである。

下手をすると、何の根拠もない右上がりの利益計画を達成するために、M&Aや、事業売却を実行している企業もある。その際の売却価格、買収価格も根拠が明確でない。これでは、どの価格までは譲歩して、どの価格を超えたら見送るのかの判断も出来ない。

企業価値を高める経営を実践する、ということを決定し、そのためのツール、理論を経営陣が理解することで正しい意思決定が出来るようになっていくのである。

おもしろいサービス

世の中には、色々なビジネス、サービスがあるものだ。

例えば、あなたが、業界における自社のシェア、売上の前年比等のデーターが欲しかったとする。もしくは、他社の給与水準がどれぐらいかを、知りたいとする。
業界や国の統計データーでは、どうしても、データーが古くなりがちなので使いにくい。

そんな時、思い切ってライバル社と交流して、お互いの情報を交換し合うというのも良いであろうが、それが、出来ていれば苦労はしない。

あなたが欲しい情報は、他社も欲しい情報である事が多い。

そこで、こんなビジネスが生まれる。例えばこうだ。

あなたが、業界における自社のシェアを知りたいとする。

業者は、あなたに代わって、ライバル社をまわり、それぞれが売上高を報告することでそれぞれの会社の売上高の合計に占める自社の割合を知ることができるが、興味があるかと確認して回る。自社の売上高が外部に漏れないのであれば、反対する企業は少ないはずである。
しかも、毎月、自社の売上シェアの推移が手に入るのであればありがたい。料金は、参加企業それぞれが支払うので、共同で調査しているような感じなる。

これは、第3者である企業が仲介に入ることで成立する。

一方、こんなサービスもある。ある企業や、ブランドについて、消費者がどのように感じているかを調査をする。その項目は多岐にわたる。料金が適正か?信頼できるか?イメージは良いか?等である。

誰に頼まれたわけでもなく、勝手に独自で調査を進める。しかも、定点観測できるように、定期的に実施、過去の評点の推移もわかるようにしてある。この点が、変わっていておもしろい。なにしろ、調査対象会社からの発注があるかどうかもわからないのに、黙々と調査を続けるのである。

このデーターは、自社のイメージが、ライバルと比較して何が勝っていて、何が劣っているかも比較できるように
なっており、過去からの推移もわかるので、大変重宝する。また、これから、どの部分を改善していく必要があるかもわかり、1年後に実際に改善されたかもわかる。

以上、ちょっと変わった、おもしろいサービスの紹介でした。

M&Aの難しさ

M&Aにも色々あると思うが、当社で多いのは、持ち込み案件である。

持ち込み案件という事は、先方の経営陣、もしくは、大株主は売却をしたいということが前提になっている。

ということは、話合うのは金額も含めた条件面だけである。金額も上場企業であれば株価をベースに話をしたら良いので、それほど難しくはないが、非上場の企業の場合は、色々と理論武装が必要になってくる。

ただ、M&Aの場合は、交渉段階では、全社的にも力が入るが、買った後は、途端に熱が冷める。担当事業部長を決めたらそれ以降は何もなかったかのように平静に戻る。
会社を買収した時点で、一仕事終わったかのようだ。

M&Aを何件か経験して思うのは、会社を買収することよりも、買収後の方が難しい。いかにして業績を回復させるか、自社とのシナジーをどのように出していくかのほうが、はるかに難しいということだ。

M&A自体は、何件か経験すると、ある種のルーチン業務のようになり、買収後の社内手続きも粛々と進んでいくのであるが、実際のところ、成功した思えるM&Aはほとんどないのが現実だ。

過去のM&Aを振り返り、うまくいかなかった原因として、以下の4点があるように思う

1.被買収企業を自社のカラーに染めようとする事

2.買収後もきちんと買収当初の目的、業績数値をきちんと達成できているかをフォローする体制がないこと

3.買収後も、当初想定していたシナジーが発揮できるように、フォローする体制がないこと

4.上記の原因として買収の担当部署と、買収後の実行部隊とが別になっており、意思疎通がうまくいっていないこと

以上の事は、経験をされた方はよくわかると思いますが、非常に難しい課題である。特に、「1」は非常に難しいが大切なことだと思う。本来であれば、全く違うバックグラウンドをもった会社が一緒になるわけで、考え方も、仕事の進め方も全然違うものである。

この外部の企業の優れた点は自社に取り入れて、自社が優れている点は、改善していくことで双方の企業が成長できる。しかしながら、どうしても、今までの自分たちの仕事のやり方を変えるのは抵抗があるため、自社のやり方を強引に押し付けてしまうケースが多いように思う。情報システムもしかりである。これでは、被買収企業もおもしろくないので、優秀な人材は辞めてしまう。

M&Aのメリットとして、外部からの優秀な人材を獲得できるということもあげられるが、これでは、いくらM&Aを繰り返しても何も変わらない。

M&Aを成功させるためには、買収を担当する部署を準備するだけでなく、買収後の事業、会社をうまく融合できるような仕組みを構築する専任部署の設置が大切である。人事制度、会計方針、IT、ガバナンスのルール等、整備が必要な項目は多岐にわたる。自社に合ったやり方を早く見つけ、ルール化することである。

ソーシャルビジネス

私は、個人的にソーシャルビジネスに興味を持っている。ソーシャルビジネスという言葉は色々な意味で使われるが、私は純粋に、社会貢献であって、お金を稼ぐ手段としてこの言葉を使っている訳ではない。

通常のボランティアや、寄付では出来る事が限られている。私が100万円寄付してもそれ以上でも、それ以下でもない。100万円のお金が手元から離れて、貧しい国の人達のために使われていくだけである。

ところが、ソーシャルビジネスの場合は、私の100万円を元手に、ビジネスが創出されそこで生じる利益は、貧しい国の人の給与となり、ビジネスの再投資に回されて、ビジネスに関わる周辺の人をも潤す事が出来る。元手の100万円が、グルグルと回り続け、1000万円、1億円の支援になっていく可能性がある。

このビジネスが失敗に終わったとしても、100万円を寄付したことに変わりはない。

「釣った魚をあげるより、釣り方を教えてあげる方がその人にとって良い」という諺がある。

お金も同じで、お金をあげるよりも、勉強をして、仕事を覚えて給料をもらえるようになった方が、その人のためになる。そのような手助けができたら嬉しい。

貧しい国の貨幣価値は低い。日本円で10万円、100万円あれば、どれだけの人を助ける事が出来るだろう。食糧、飲料水だけでも、随分支援できると思うが、お金が尽きたら終わりである。

それよりも、日本円を使って、現地でビジネスを創出できれば、持続的に社会貢献が出来る。

まだ、漠然とした想いであるが、どのような事が出来るかを考えていきたい。

ボリューム陳列

小売業においては「ボリューム陳列」という言葉がある。おすすめ商品、売りたい商品を大量に陳列して、売上を伸ばす手法のことだ。

ボリューム陳列により、お店に入ってすぐに商品が目につくし、お客さまも購買意欲をそそられる。

ところが、当社においても、このボリューム陳列のために、大量に商品を仕入れて、在庫が残ってしまい、不良在庫がかなり増えた時期があった。しかも、店長決済でどんどん仕入れるので、全社的なコントロールとりにくい状態であった。

店長は、売場でボリューム感を出した陳列をしないと売上が増えない、欠品も怖いということでどんどん仕入れたがるが、売れ残った在庫の処分が追いつかず、当社の財務状態も非常に悪化していった。(在庫回転率が年々悪化)

これではだめだということで、商品は、1日の間で売り切れない程度に抑え、あとは、売れ行きを見て補充発注。陳列については、ダミー商品、箱等を使って、ボリューム感は出すということで、何とか方法論を確立してこの問題を終息したのだが、これだけでも、かなりの期間を要したのを覚えている。

その後、縁があって米国の同業の会社の経営陣が来日した際に、当社の店舗をご案内したところ、そのお店の坪数(広さ)を聞かれ、お答えすると、いたくお褒めの言葉をいただいた。

それは、実際の広さよりも、広く見えるということであった。残念ながらそれは、我々が意図して何か工夫をしたわけではなかったのであるが、彼らはその点を評価してくれたのである。

彼らが、日頃から気にしていることに、実際の売場の広さよりも、もっと広いと感じてもらう。
実際の品揃え、商品量よりも、もっと充実しているように感じてもらうために、どうしたら良いかを常に研究しているのである。

つまり、本当に物理的に大きなお店を作って、大量の商品を陳列するのではなく、合理的な大きさのお店と商品量で、実際よりも、広いお店、品揃えが良いお店であると、お客様に感じてもらうことに工夫をこらしているのであ。前者のように、とにかく大きなお店を作って、大量に商品をおくような店づくりだといくらお金があっても足りなくなる。

そのために、天井の高さ、什器の高さ、通路の広さ、商品の陳列方法と、様々なノウハウを日々、蓄積して進化していっているのである。私も色々と話ができ、日米の小売業のレベルは、まだまだ差がある事を痛感した。我々が、苦労したボリューム陳列においても、圧倒的にノウハウの差が存在する。

米国においては、売場作りにおいても、全てが規格化され、数値化、視覚化されており、その通りに作り、陳列すれば、同じものが出来上がるという事が徹底されているのである。

「周知結集」と「烏合の衆」

「周知結集」とは、みんなが集まりそれぞれ知恵を出しあって問題点を解決することである。

似たような言葉で、「三人寄れば文殊の知恵」というものもある。

いい言葉ではあるが、実際のところは、多人数で議論をしても議論が拡散して収集がつかなくなる事が多いのが実態ではないだろうか?

色々な会議、打ち合わせに出ていると、参加して5分も経つと、その会議がいい会議になるか、不毛なまま終わるかは、すぐにわかるものである。グループディスカッションをすると、更に顕著となる。こうなってくると、「周知結集」どころではなく、「烏合の衆」と化してしまう。時間の無駄である。

私は、「周知結集」を否定している訳ではないが、成功するにはいくつかの土台が必要だと思う。

1.明確な目標、議題
2.適切な参加者
3.健全な企業文化

順番に説明していきたい。

1.明確な目標、議題

何かを議論するにしても、決めないといけない事がはっきりしていないと、議論は空回りする事は言うまでも無い。漫画のような話ではあるが、結局何の打合せだったかな?と最後に、考え込んでしまうこともよくあることだ。

2.適切な参加者

難しい案件になればなるほど、案件に見合った見識をもった参加者が重要となってくる。
難しい案件というのは、自分でも答えが見つからないような案件になってくるが、そのために、適切な参加者を集めて議論をしているうちに、思いもしなかった方法、結論が出てきたとき、人材の大切さを実感する。チームの力を実感する。

逆に案件に必要な見識をもっていないメンバーで集まっていくら議論しても、何も答えが出てこない。わからない事に対しては、答えが出るわけが無いのである。

3.健全な企業文化

この項目については、少々説明が難しい。適切な言葉が思い浮かばなかったのであるが、会社には、各社それぞれに独自の考え方、文化がある。これは、行動規範とも関連するものである。ところが、社員が増えてきて、色々な人が混じってくると、この違い、価値観がお互いわかりあえなくなる。

そのためにも、会社の理念、行動規範は明文化され、共有、理解されている必要があるし社内の業務手順も、それに準じて決められていないといけないのである。

会社の理念、行動規範、業務手順が明文化され、それぞれが理解した上で議論をすることで真に自社らしい、素晴らしい意思決定が出来るのである。

みんなが、バラバラの価値観、目線で、自分の話だけをしているようでは、いつまでも結論が出ないし良い知恵も生まれない。まさに「烏合の衆」と化すのである。

「分社化」と「Debt(負債)によるガバナンス」

以前に、大企業をベンチャー企業のように運営することについて書きました。

今回は、別の手法、観点で書いてみたいと思います。

それは、「分社化」と「Debt(負債)によるガバナンス」である。前回は分社化せずに、組織を小さくする観点で書いたが、実際に分社化すると、より各事業の業績がわかりやくすなり、人材育成上も非常に良いと思います。

まずはじめに、事業部を適正な範囲、規模で分社化する。これにより、資産、負債の切り分けが出来る。また、曖昧な経費の付け替えも基本的にはなくなる。

あとは、「Debt(負債)によるガバナンス」を実施するだけである。

各社に投下資本利益率等の目標を与えるのであれば、実際に配当として受け取ることである。目標利益をベースとして配当を決めても良い。

これで、何が変わるか?

1.損益(PL)というものは、会計処理次第でいくらでも調整できる。部門間の付け替えが横行するのも同じ問 題に起因している。

2.ところが、キャッシュフローというのは、誤魔化しがきかない。売上を水増ししても在庫を水増ししても利益は出せるが、お金としては入ってくる事は無いので、キャッシュフローは変わらない。

期末になって、目標通りの経常利益を達成したら、配当を支払っても借入水準は守られているはずである。
配当が払えない、借入金が水準を超えた場合は、目標を達成できなかったということである。利益だけは達成できている場合は、内容をよく確認する必要がある。期末ぎりぎりに大型商談が決まったこと以外にはあまり考えられない。特殊要因が無い限りは、期末の借入水準で評価をするべきである。これが、結果的にはキャッシュフローで評価していることになるのである。

分社化した際に、ガバナンスが利かなくなり、子会社が暴走すると行った事が起こるのは、人選ミスか、管理が出来ていない、もしくは、していないためである。しかしながら、コンプライアンスを除けば、通常は、子会社のキャッシュフロー(借入金の管理)を見るだけで充分である。子会社が合法的に利益を創出し、親会社の期待利回りに答えいるのであれば、あまり、口出しはせず、任せてしまった方が良い。

分社をすることで、子会社の社長、役員、部長ポストも増えるので、人材育成の観点からも非常にメリットがある。この際には、社内のポスト、権限の整理は事前にしっかり整備する必要がある。
子会社の社長は、親会社(本体)の部長クラスなのか、もう少し上なのか等、序列をしっかり整理しないと暴走する人が出てくるのも当然である。(社長という肩書は、本人にも、対外的にも勘違いを起こさせやすいものである)子会社の役員、管理職に対しては、事前に、序列をしっかり整理して、認識してもらった上で取り組む事が大切である。

「お客様の声」よりも「社員の声」

我々は、自社の新商品開発やサービスの向上のために、日々、社内会議を行う。

また、市場調査やお客様アンケート等を実施して、自社の新商品の開発やサービスの向上のヒントを探している。しかしながら、このような方法は、費用も時間もすごくかかる。

ライン部門の当事者は、自分の業務、業界に没頭しているので、すでに一般消費者の視点を持つ事は非常に難しくなっているものだ。ただ、私のようにラインの業務に深く関わっていない人間が会議に参加していると、その中で、話し合われている内容は、遥かかなた、全然違う方向に飛んでいるように思う時がある。


あなたの会社の社員は、自社の商品やサービスを利用しているだろうか?
自分が働いている会社の商品、サービスを応援するのが当たり前だと考えることもできるが、実態はどうだろうか?
競合の商品、サービスを利用している事は無いだろうか?

私は、会社への忠誠のために、自社の商品、サービスを強制する事が良いとは思わない。
ただ、自社の社員が、自社の商品、サービスを利用しないという事実も問題であると思う。

ただ、その背景には、実は、料金が高すぎる、味が悪い、他社製品と比べてデザインが悪い、
性能が悪い等の要因があるからである。自社の社員が、そのように思っている事が問題だと思う。

ところが、ラインの責任者、担当者は、自分たちの仕事は誇りをもってやっているわけで、このような事実を受け止める事が出来ない。ここに、問題の本質がある。

私は、自分たちの頭の中で、お客はどう感じているか?、お客はどう考えいているか?を想像するよりも、色々な調査結果を分析することよりも、身近で率直な意見を言ってくれる社内の人間をもっと、活用したら良いと思う。
できれば、社員の家族までも含めて、屈託のない意見を求めるべきであると思う。

そのためには、業者に調査費用を払うよりも、社員向けの割引サービスを拡充し、色々な意見をもらえる仕組みを構築した方が、より役に立つ意見がもらえると思う。実際のところ、私の妻や子供たちに自社の商品、サービスの評判はどうかを聞いてみても手厳しい返事が返ってくるが、理由を聞くとなるほどと思える事が多い。これが、世の中の自社に対するイメージなのだとよくわかる。

ついでに、社員割引が、社員と社員の家族にも喜んでもらえたら、福利厚生の一環としても非常に良いことだと思う。ただ、社員割引も中途半端な内容だと、ありがたみもないし、形骸化してしまう。


しかしながら、実際に社員から意見をもらっても、自社の商品、サービスを悪く言う人間はけしからん、わざわざ他社の商品、サービスを買うとはけしからん、それは誰が言ってんだ。といった犯人探しのような状態になりやすく、初めのうちは、なかなか本音が出てこないと思うので、時間をかけて浸透させていく必要がある。

社員もその家族も、自社の商品、サービスが素晴らしいと思ってくれたら、きっと、成功するだろうし会社も大きく成長できると思う。また、みんなが、何らかの形で貢献した結果、会社が成長し、社員も潤えば、こんなに素晴らしい事は無いであろう。

「運転資本」と「回転差資金」

前回は、

1.自己資本比率(株主資本/総資産)・・・20%以上

2.債務償還年数(有利子負債/営業CF)・・・10年以内

3.借入月商倍率(有利子負債/月間売上高)・・・3ヶ月以内

4.総資本経常利益率・・・3.5%以上

5.経常利益率・・・1.5%以上

6.総資産回転数・・・2.3回転以上

上記の指標をクリアできれば、格付も問題無く、資金繰りも問題が発生しないはずである。
ということを、書きました。ところが、それでも、資金繰りが厳しいというケースが実際にはあります。

その要因は、私が見てきた限りは、ほとんどのケースにおいて「運転資本」と資金調達方法のアンバランスによるものです。

資金調達の基本は、流動資産に対しては、短期資金。固定資産については長期資金による調達です。このバランスがくずれると、資金繰りがおかしくなります。

例をあげて説明します。

運転資本=売掛金+受取手形+在庫-買掛金 となります。(少し極端な例である事と、在庫、買掛金の残高も便宜上、売上と同額としております)

例えば、月商売上100万円の会社があったとして

売掛金  300万円(売掛金の回収に3ヶ月かかる)

受取手形 300万円(手形の回収期間が3ヶ月)

在庫   600万円(在庫が6ヶ月分)

買掛金  100万円(仕入代金の支払サイトが1ヶ月)

この場合の運転資本は、1100万円となります。

売掛金300万円+受取手形300万円+在庫600万円-買掛金100万=1100万円(運転資本)

運転資本とは、この例においては、仕入代金は毎月支払いが発生するにもかかわらず売上債権と、まだ販売できていない商品に対しての入金は、9ヶ月~12ヶ月後になるためそれまでの差額に対して必要となる資金の事です。


この状態で、資金繰り上問題無ければ良いのですが、仕入が先行し、代金の回収、在庫の販売が遅れている状態なので、通常は資金調達が必要になります。

資金調達には、現金等の自己資金で賄うか、銀行から借りるかが通常ですが、現在、資金繰りがまわらないということは、会社の利益では賄い切れていないということですので、借入による調達になるのが通常です。

ところが、この場合に借入を5年返済の長期資金で調達すると、翌月から毎月一定額の返済が発生します。
もともと、現在の利益で資金繰りが回らないところに、翌月から毎月の返済が発生すると、更に資金繰りが厳しくなります。

運転資本が非常に大事なのは、売上が増えると、売掛金、受け取手形、在庫が増加し更に、資金不足が発生する点です。

月商売上が 100万円⇒150万円に順調に増加

売掛金  450万円(売掛金の回収に3ヶ月かかる)

受取手形 450万円(手形の回収期間が3ヶ月)

在庫   900万円(在庫が6ヶ月分)

買掛金  150万円(仕入代金の支払サイトが1ヶ月)

この場合の運転資本は、1100万円⇒1650万円となります。

売掛金450万円+受取手形450万円+在庫900万円-買掛金150万=1650万円(運転資本)

つまり、事業が順調に推移し、売上が伸びていけばいくほど、運転資本の調達が必要になり資金不足が拡大していくのです。いわゆる自転車操業です。黒字倒産が発生するのもこのケースです。

このケースは、各種の財務指標に異常は出てきません。基本的には、事業が順調に伸びていて不良債権や不良在庫が発生している訳ではないからです。利益が増えていても起こり得ます。

この運転資本の問題を解消するためには

1.売掛金、受取手形の回収条件をもっと短くする

2.在庫は、最小限にとどめる

3.仕入代金の支払サイトを、もっと、長期に伸ばす

上記は、主に、交渉、契約条件の変更になります。ただし、これは、あなたの会社と取引先との力関係にも左右されます。あなたの思ったように改善が出来ないかもしれません。

そうすると、現実的な方法としては、短期の借入金で調達することです。3ヶ月もしくは半年ごとに返済期限が来るたびに、借り換えることで金利だけを支払います。流動資産に対しては短期資金で調達するということです。

このような借入は、一般的なものですが、多くの中小企業は、5年返済の長期資金で折り返し融資を受けているケースが、まだまだ多いと思います。運転資金としての融資は、一般的ですが、融資をする際に金融機関が気にするのは、売掛金、受取手形、在庫の内容です。この内容が健全であれば、銀行格付で大きな問題が無い限り、融資は受けることができます。ところが、内容が不明だと、一定の掛け率を入れてきます。


そのためにも、自社の売掛金、受取手形、在庫の内容に滞留しているものがあるのか?ある場合は厳格に、評価損なり、償却を実施しているかを、金融機関とも積極的にコミュニケーションをとって、安心、理解してもらうことです。

資金調達においては、金融機関との信頼関係構築が、最も基本的な前提であることを良くご理解してください。

最後に「回転差資金」について書いておきます。

これは、小売業に良く見られるケースですが、基本的には、現金販売(一部クレジットカードはあるが)なので、

運転資本=在庫-買掛金

となります。この場合

月商売上が100万円

在庫   100万円(在庫が1ヶ月分)

買掛金  300万円(仕入代金の支払サイトが3ヶ月)

この場合の運転資本は、▲200万円となります。

売掛金100万円-買掛金300万=▲200(運転資本)

つまり、商品は現金で販売しているにもかかわらず、仕入代金は3ヶ月後の支払になるので、その間、手元に200万円残るわけです。

このように、逆に手元にお金が残る資金を「回転差資金」と呼びます。この「回転差資金」があれば、売上が増えれば増えるほど、手元にお金が残るため、新規出店をしても、出店投資の調達額少なく済むのです。しかも、金利もかかりません。

小売業の場合は、在庫の効率を高め、支払の条件内に収めることで、非常に資金繰りが楽になります。反面、在庫を多く抱える小売業は、逆に運転資本の確保が必要になるので借入金は、多くなりがちです。


「運転資本」と「回転差資金」が、いかに重要か、ご理解いただけたでしょうか?

銀行格付

前回は、「債務者区分」について、書きました。本日は、「銀行格付」について書きます。

その前に、以前に資金繰りが苦しくなる理由を4つあげました。

1.業績が悪いため資金繰りが厳しくなっている

2.業績は問題無いが借入金が多すぎて返済が出来ない

3.銀行の借入の仕方が悪い

4.銀行の折り返し融資がでなくなった

上記の中で、「4」については、前回の「債務者区分」で既に説明しましたので、

本日は、「銀行格付」と、上記の「1」「2」「3」を絡めていきたいと思います。

「銀行格付」は、各金融機関の中で独自にランク分けをしております。
この格付を審査する項目としては、定性的な情報と、定量的な情報があり内容については、各金融機関によって審査する項目は、それぞれ違います。

しかしながら、その中でも定量的な部分で、重要な部分は共通していると思われますのでその点について、まとめてみます。

格付審査で非常に重要になる指標は以下のとおりです。(業種によって多少基準値は変わりますが下記の数値は最低限クリアしたい数値です)

1.自己資本比率(株主資本/総資産)・・・20%以上

2.債務償還年数(有利子負債/営業CF)・・・10年以内

みなさんの会社はどうでしょうか?自己資本比率と、債務償還年数が上記の基準をクリアしている場合は、資金繰りに問題は発生してないと思います。

それでは、上記の指標をクリアしてない場合は、以下の指標を確認してみましょう。

1.総資本経常利益率(経常利益/総資産)・・・3.5%

2.借入月商倍率(有利子負債/月間売上高)・・・3ヶ月以内

いかがでしょうか?

債務償還年数については、その年の営業CFが、たまたま少なかったという場合もあると思いますので、補完的に、借入月商倍率でも確認します。借入月商倍率は、売上規模と比較して、借入金が多いかどうかを判断します。

また、総資本経常利益率は、以下の形に分解できます。

総資本経常利益率(経常利益/総資産)=経常利益率(経常利益/売上高)×総資産回転数(売上高/総資産)

総資本経常利益率・・・3.5%以上

経常利益率・・・1.5%以上

総資産回転数・・・2.3回転以上

総資本経常利益率が、基準に満たない場合は、経常利益率に問題があるのか、総資産回転数に問題があるのかを分解して判断します。総資産回転数が基準に満たない場合は、資産が多すぎるか、売上が低すぎるかのどちらかになりますが、ほとんどのケースは、不動産、株式、敷金等の資産が過大になっているケースが多いように思います。(個々の問題に対する解決策は、別途、時期を見て書いていきます)

今までの基準をクリアしている場合は、資金繰りにおいても、格付においても問題無いと思いますが、それでも、資金繰りが厳しいという方は、

流動比率(流動資産/流動負債)を確認してみてください。流動比率は、120%以上が理想的ですが、上記の基準を
クリアしても資金繰りが厳しいとすると、おそらく、流動比率は、180%以上の数値になっているのではないかと思います。これは、一見すると、財務状態が良好に見えるかも知れませんが、資金調達の方法を誤っている可能性があります。(在庫が非常に多い、売掛債権が非常に多いようなケースに良く見られます)

資金調達の基本は、流動資産には、短期の借入金、固定資産には、長期の借入金で調達するのが基本です。ところが、借入をする場合に、常に長期で借入をしていると財務状態のバランスが崩れます。

これを理解するためには、「運転資本」についての理解が必要になりますので、「運転資本」については次回に回したいと思います。

資金繰りが苦しくなる理由と、本日の経営指標をまとめると

1.業績が悪いため資金繰りが厳しくなっている

⇒債務償還年数、経常利益率が基準を満たしてない。PL分析をして黒字化をはかる

2.業績は問題無いが借入金が多すぎて返済が出来ない

⇒総資産回転数が基準を満たしていない。資産が多すぎるケースが多いので資産の売却、オフバラ、リースバック等財務的な処置が必要

3.銀行の借入の仕方が悪い

⇒流動比率に異常値が発生。流動資産に対しても長期の借入金で資金調達をしている。短期の借入金で調達するように変更する

4.銀行の折り返し融資がでなくなった

⇒本日の経営指標の多くに対して未達。結果、格付が悪化した。
経営改善計画書を作成し、本日の経営指標をクリアする計画を立てる

以上ををまとめますと、

1.自己資本比率(株主資本/総資産)・・・20%以上

2.債務償還年数(有利子負債/営業CF)・・・10年以内

3.借入月商倍率(有利子負債/月間売上高)・・・3ヶ月以内

4.総資本経常利益率・・・3.5%以上

5.経常利益率・・・1.5%以上

6.総資産回転数・・・2.3回転以上

以上の経営指標を全てクリアする事を念頭に、事業計画、中期経営計画を立案することで高い格付けを維持できるようになりますので、是非、取り組んでいただけたらと思います。

また、多くの項目が未達である場合、「債務者区分」「銀行格付」は、低い区分になっているはずなので早期に経営指標の数値改善が必要です。

「債務者区分」と「銀行格付」

前回、「債務者区分」と「銀行格付」について書きました。「金融検査マニュアル」を実際に、参照した方も多いと思います。実際の、「金融検査マニュアル」は、細かな部分まで書かれておりますが、
大体の目安をまとめますと

「正常先」・・・①当期利益が黒字②純資産の部にマイナスがない(累損がない)

「要注意先」「要管理先」・・・①当期利益が赤字である②累損がある③返済が1ヶ月以上延滞

「破綻懸念先」・・・①2期連続で債務超過で、返済が1ヶ月以上延滞②返済が6ヶ月以上延滞

「実質破綻先」・・・①2期連続で債務超過で、返済が6ヶ月以上延滞②当期利益が赤字で返済が6カ月以上延滞

「破綻先」・・・実際に破綻している

つまり、当期利益が黒字で累損が無ければ、通常は問題はありません。問題になるのは、赤字決算になった時です。この時点で、「正常先」では無くなる可能性があることを認識して、金融機関とはしっかりコミュニケーションをとることが大切です。一時的な投資による赤字で、来期以降は、黒字が見込まれるのであれば、特に問題はありませんが、そのようなことも、金融機関にもしっかり理解してもらう必要があります。

また、債務超過の状態になってしまった場合は、「要管理先」「実質破綻先」に近付いていると認識する必要があります。早期に、債務超過を解消すべく事業計画を立て直し、金融機関とも密にコミュニケーションをとることです。

しかしながら、不幸にして、債務者区分が悪化した場合はどうするか?

債務者区分が悪化すると、金融機関は貸出債権に対して、貸倒引当金を積む必要が出てくるので貸出をするだけで赤字になります。(当然、貸倒引当金の引当率にもよりますが)こうなってくると、金融機関も貸したくても貸せなくなります。

このような場合は、「経営改善計画書」を作成することです。、現在は、債務者区分が低くなっているが(財務状態が悪いが)3年後には、収益改善し、財務状態も改善するので、引き続き支援をしてもらうように金融機関に検討をしてもらうのです。この事は、「金融検査マニュアル」にも記載があるし、良心的な金融機関であれば、自ら、「経営改善計画書」の雛型をもってきて、一緒に作成を手伝ってくれます。

ポイントとしては、第3者が見ても、実現性が高い内容ででまとめることです。夢のような事業計画を作る必要はありません。

金融機関も当然、社内審査があるので、それに耐えうるものでないといけませんが、このような手続きをとることで、債務者区分を見直ししてもらえる可能性があります。

金融機関も、お金を貸すことで商売をし、支店も担当者も評価されるわけですから、基本的には、お金を貸したい
のです。しかしながら、債務者区分が低い貸出先には、貸したくても貸せない。また、貸出先の債務者区分が悪化すると、支店も担当者も責任を取らされるので、貸出については慎重になるのです。

そのためにも、日ごろから、金融機関とは、しっかりコミュニケーションをとり、お互いの信頼関係を構築する事が大切です。お金の工面が必要になった時だけ、金融機関にお世話になるだけでは、不測の事態が起こった時には、なかなか対応してもらえないでしょう。

次回は、「銀行格付」について書きたいと思います。

資金繰りが苦しくなる理由

私は取引先の資金繰りの相談を良く受けるのですが、資金繰りが厳しい企業は大体、以下に分類されるように思います。

1.業績が悪いため資金繰りが厳しくなっている

2.業績は問題無いが借入金が多すぎて返済が出来ない

3.銀行の借入の仕方が悪い

4.銀行の折り返し融資がでなくなった

上記の分類により、対応方法は異なってきますので、まずは、どちらの分類に該当するのかを分析する必要があります。

私のところに、相談が来る段階ですと、当然ですが、「4.銀行の折り返し融資がでなくなった」というタイミングが多くなります。

今後は、上記の分類に応じて、どのような対応が必要かを書いていきたいと思います。

まず、初めに、

なぜ、突然、折り返し融資が出なくなってしまうのか?について考えましょう。

金融関係の方が、このブログを読んでおられる場合は、私の理解が誤っている部分があれば、コメントいただけたら助かります。私も勉強になりますので。

金融機関は、貸出先に対して常にランク分けをしております。大きく分けて「債務者区分」と「銀行格付」とに分かれます。

「債務者区分」は、金融庁が、金融機関に対して貸出先に応じて「債務者区分」を分けて、その区分ごとに貸倒引当金を積むように指導をしております。

債務者区分は、「正常先」「要注意先」「要管理先」「破綻懸念先」「実質破綻先」「破綻先」とに分かれます。「要管理先」を除いた5区分が基本であるが、実務的には、「要管理先」の区分に該当するところが、一番、微妙な状況である事から、「要管理先」も含めたて考えた方が良いと思います。

「債務者区分」については、「金融検査マニュアル」として、一般に公開されいるので詳細は、そちらでご確認いただけたらと思います。

ここで大切な事は、「要管理先」に分類された時点で、金融機関においては、貸倒引当金を積んでいく必要が出てくるので、貸出金利が上がってきます。つまり、貸出金利が上がってきたときは、「要管理先」に分類された可能性があるということです。さらに財務状況が悪化し、「破綻懸念先」に分類されると、金融機関における貸倒引当金の引当率が更にあがってくるので、こうなると、金融機関としても貸し出したくても、貸せなくなる。
という状況になります。

ここまでくると、折り返し融資を受ける事が出来なくなるのです。

一方、「銀行格付」は、銀行内で独自で貸出先に応じて区分しており、「格付1」~「格付11」ぐらいまでに分けられます。1番いい格付けであれば、金利も安く借りる事が出来し、逆に格付が低くなると金利が高くなり、融資も受けにくくなります。「債務者区分」と「銀行格付」は、連動した形になります。たとえば、「格付1~6」は「正常先」、「格付7」は「要注意先」といった形です。

ちなみに、「債務者区分」「銀行格付」は、外部に出る事は無いので、銀行によって、あたなの会社の格付けが違うという現象が生じます。その意味においては、複数の銀行とつきあうことは、リスクヘッジにもなるのです。都市銀行、地方銀行、信用金庫と言った使い分けも有効です。
ある銀行では、「正常先」に分類されているので、別の銀行では「要注意先」に分類されているということが実際に起こります。

以上の事から、企業活動において、安定的に資金調達をしていくためには、「債務者区分」「銀行格付」を意識して経営していく事が非常に大切であり、この意識を高めることで、ある日、突然、折り返し融資が出ないというハプニングを回避できるのである。

少し長くなったので、次回に、続きを書きたいと思います。

大企業を、ベンチャー企業のように経営する

大企業を、ベンチャー企業のように経営するためには、組織を小さく分けて、その組織の中でほとんどの業務を完結できるようにすることである。

組織の管理可能範囲は5名といわれている。しかしながら、どうしてもバラツキは出るので5名~9名と考える。つまり、10名になった時点で、チームを分けるということである。
チームの名称は、チーム、係、ユニット等何でも良いが、ここでは便宜上、チームと呼ぶ。
チームが、5つ~9つを束ねるのがグループ(部、課でも良いが便宜上グループと呼ぶ)とするとこの時点で1グループ最大90名(81名+チームリーダー9名)の規模となる。必要とあれば、もうひとつ上の階層をつくっていく。

5名~9名のチームというのは、すごく小さいと思われるかもしれないが、これぐらいの規模なら業績の見通しを把握するのも、予算を作成するのも、人事管理上も非常に楽である。また、意思決定も早くスピーディに物事が進む。

大事な点は、チームには、会社としての機能を一通りは揃えておくことである。そのためには、1名はスタッフとして経理業務、人事関連の業務、総務業務全てをこなす人材を配置し、育成するのが良い。

一般的に、組織が大きくなってくると、スタッフの仕事は細分化し、それぞれの仕事の範囲が狭くなっていく。ところが、子会社(中小企業)のスタッフは、1、2名で給与計算も決算業務も、総務、庶務もこなさないといけない。何しろ人がいないためである。このような環境で育ったスタッフは、何でもひととおりは出来るようになっており、その後のキャリアプランもたてやすい。

しかしながら、このような小さな組織では、専門家は配置できないので、難しい案件、問題が発生した場合は本部スタッフの支援を受けることになる。

一方、本部(親会社)で、同じ仕事を5年も10年も続けていると、その業務については精通していても仕事の幅は広がらないので、将来的なキャリアプランも描きにくくなる。子会社で、全ての業務を取り仕切っていたスタッフが、親会社のスタッフとして異動すると、業務が物足りなく感じ、モチベーションが下がることはよくあることだ。組織の意思決定も時間がかかるようになり、ボトムアップからの意見集約も難しくなる。

大企業の良い点と、ベンチャー企業の良い点をうまく生かすために

1.組織は細分化すること(1チーム5名~9名)

2.チームに1名はスタッフを配置し、基本的な業務はチーム内で完結すること

3.本部スタッフは、ルーチン業務をライン(チーム)に移管し、専門知識を生かした業務に特化すること

4.これにより、本部で狭い範囲のルーチン業務を繰り返す担当者がいなくなり、チーム内のスタッフは、中小企
業の本部スタッフのように、幅広い業務を経験し、習得できる環境が整う。このようなスタッフはチームリー
ダーにとって、右腕のような貴重な人材となる。

このような形をとると、間接部門のコストが増えるのではないかと思う方が多いかもしれない。
しかしながら、組織が大きくなって機能不全に陥っているよりは、小さな組織で、きっちりと運営されている組織の方が良いのではないか。間接部門が多いか少ないかという話よりも、その組織が機動的に動けて、業績が伸びているのであれば、それで良いのではないかと思う。

組織が大きくなってくると、情報を吸い上げることが難しくなってくる。業績の見通しも大きく狂うことが多発してくる。これは、組織が大きすぎて、細かな部分まで見えない事による弊害である。細かな部分まで見えないため、推測で多くの事を判断していかざるをえない。
この推測による判断が重なっていくと、何が正しくて、何が推測かもわからなくなり、混沌とした状態に陥る。

こんな状態になった時には、一度組織を細分化してみることも検討してみることを強くお勧めする。


以上は組織面での話であるが、大企業をベンチャー企業のように経営するためには、職務権限規程の整備も含めてインフラを別途整える必要があることは言うまでも無い。

「マニュアル」と「学習する組織」

マニュアル(業務手順書)の重要性について、何回か連載してきた。

あるべきマニュアルとは

誰でも、その手順どおりにやれば、同じ品質、同じ時間内で仕事が出来る。
誰でもとは、8割~9割の人が普通に出来る状態を言う。

10年間かけて習得した業務も、きちんと手順を分解すれば、新人のアルバイトでも1週間で出来るようになるとすれば、これはすごいことである。もちろん、技能、経験の違いで完了する時間にばらつきはあると思うが、あくまでも、マニュアルに定義するのは誰にでも無理なく出来る時間であることを前提とする。つまり、無理なく楽にこなせる所要時間を基準とするということである。

マニュアルが揃って、はじめて、正確な作業割り当てが可能になる。

作業割り当て通りに、時間内に一定の品質を保てるようにお店が運営できるように、従業員を教育することが店長の役割である。この店長がきちんと職務を実行出来ているかを確認するのがエリアマネージャーの役割である。そのためには、店長もエリアマネージャーもマニュアルの内容を100%理解できていないと指導が出来ない。

ところが、マニュアルがあっても、誰も見ることも無く、独自の方法で店舗運営をしていると店長も、エリアマネージャーも、その状態が正しく運営されている上なのかの判断が出来ない。

にも関わらず、ほとんどのチェーンはこのような状態なのではないだろうか?特に小売業においては、顕著であるように思う。当社だけでなく、私が社外取締役として参加している企業においても同様である。

また、正しいマニュアルがあり、作業割り当ても正しく行われれば、個人に過剰に負荷をかけることなく、誰もが最高レベルの業務水準を楽に達成できるようになるのである。これにより、ガンバリズム、気合いによる運営はなくなる。

このように考えれば、マニュアルも非常に有益なものと感じられるのではないだろうか。

ここまで読むと、なかなかいいじゃないかと思う方も多いだろう。

だが、実際に実行するとなると、非常に多くの問題が発生する。まず、ベテランが、長い年月培ってきたノウハウを、マニュアル化して、新人たちに短時間で習得されることの心理的抵抗感は相当なものがある。あなたも、その場面を想像をしたらわかるだろう。

しかし、心配は無用である。ここからが、大切なポイントであるが、マニュアルは、常に進化しなければならない。一度、作って、同じ運用を続けいているだけだと、個人も会社全体の成長も止まってしまう。
それこそ、マニュアル人間を量産することにしかならない。

初めのうちは、とにかく、マニュアルに書いている事をそのまま習得することが大切であるが、きちんと身についてから、現在のマニュアルの手順を改善していくことである。そうすれば、改善されたマニュアルは今までのものよりも進化ししたものとなり、はじめに、マニュアル作りに関与した人も、自分が最良であると思っていた以外の方法が存在していることを理解するのである。このことにより、ベテランも同じ仕事のやり方で停滞することなく、快適な刺激を受けながら成長できるのである。

このような環境がなかったら、ベテランは、なかなか自分の仕事のやり方を変えることも無く、会社としての進化も止まってしまうであろう。刺激が無い、マンネリの状態では仕事もおもしろくない。

マニュアルやマニュアル人間の問題をとやかく言う前に、マニュアル通りの業務も出来ていない段階で、思いつきによる業務改善をすることで、生産性が上がったり、下がったりと非常に非効率な状態を繰り返している事が、本当の問題である。

きちんした正しいマニュアルがなく、マニュアル通りの業務を習得してないレベルで、マニュアルの問題点を挙げている会社が実際には多いのではないかと思う。

マニュアルが常に進化し続ける企業こそ、真の「学習する組織」といえるであろう。

「マニュアル」と「マニュアル人間」

前回、前々回で米国のチェーンストア理論について、ご紹介しました。

少し復習しますと、

チェーンストア理論における店長の役割は、決められた手順どおりに、お店を運営し、店舗を清潔に保ち、従業員を教育することである。

従業員、アルバイトは、会社で決められた手順通りに、業務を遂行する。
自分の担当する仕事も明確になっている。

このように決められた手順は明文化されていないといけない。これが、マニュアルである。

つまり、店長、従業員、アルバイトはマニュアル通りに行動しないといけない。

日本では、このような「マニュアル」による管理、またそのことにより、マニュアル通りしか仕事が出来ない人をマニュアル人間と呼び、非常にネガティブな印象を持っている人が多い。
私もずっとそのように思ってきた。

しかし、色々と勉強しているうちに、実は、自分の理解は間違っていたのではないかと思い始めている。

例えば、このように考えたらどうだろう。

店舗の業績に問題が発生した場合、問題点を特定して改善しなければならない。

そのためのプロセスとして

1.店長は、きちんとやるべきことをやっているのか?つまり、マニュアルにそって教育、運営がなされているのか?

2.店長は、管理可能コストについて、予算の範囲内で運用できているのか?

3.前記「1」「2」がきちんと実行されている事が、確認された場合、どんなに業績が悪くても、店長の評価は満点でなければならい。
家賃や投資コストが高すぎるために業績が悪いのであれば、それは店舗設計者や開発担当者の責任であり、そのような投資を承認した会社の責任である。


4.店長がやるべきことをやっていると判定するためには、店長がやるべき事が明文化されている必要がある。(マニュアル化)これが無いと業務が出来ているかどうかを判定できないし、指導もできない。
もし、店長や従業員が定められた基準で業務が出来ていないのであれば、きちんとマニュアルに沿って教育し、業務を習得してもらう必要がある。


5.店長に問題が無ければ、今度は、バイヤーのオペレーションに問題が無いかを確認する

6.ここでも、マニュアルにそった業務をしているかどうかが、問題であり定められた通りの手順で業務がなされていた場合、バイヤーにおいても問題無いことが確認される

7.店舗にもバイヤーにも問題が無い事が確認されると、商品部の業務に問題が無かったかが検証される。
ここにおいても、マニュアル通り、会社の基準通りの手続きがなされたかが、重要である。

8.以上を確認してはじめて、業界全体の問題なのか、会社の方針、業務手順の問題なのかが検証されるのである。

このように考えると、マニュアルがいかに、大事な位置づけにあるるかが、おわかりいただけるだろう。マニュアルがきちんと整備されていないと、以上の事は何も判定できないのである。
ついでに言えば、もし、店長、従業員、アルバイトが定められた業務が出来ていない場合、通常は、その担当者の能力が低い、仕事が出来ないということで、叱咤されるであろうが、チェーンストア理論ではそのようには考えない。

マニュアル通りに出来ない場合は、その人が、教育を受けていないか、マニュアルに欠陥があるか、業務量の割り当てに問題があると考えるのである。つまり、業務が出来ない原因は、本人の能力ではなく、会社や店長に問題があると考え、改善をしていくと考えるのである。

このように考えると、チェーンストア理論の考え方も合理的で冷たいものではなく、人の能力、可能性を尊重したものであるとも考えられる。

当社も、このような考えに立ち、マニュアルを整備し、社員の教育をし、常に業務を合理的に改善していく努力を
続けておれば、今のような混沌とした状態では無く、非常に生産的に、安心して働く職場ができていたのではないかと思う。

次回は、このマニュアルについてもう少し掘り下げたいと思う。

米国のチェーンストア理論

私の前職は、会計事務所勤務であったことを、以前にもブログで書いた。

将来は、自分で事業をしたいという思いもあり、経営コンサルティング会社に就職したつもりが、母体が会計事務所であったということで、結果的に会計の仕事についた。会計には全く興味がなかったが、将来事業をする際に、少しは役に立つかもしれないという軽い気持ちで始めたところ、自分では、考えてもいなかった分野の好奇心が芽生え、結果的には、自分に非常にあっている仕事になった。

世の中は不思議なものだ。

さて、その後、現在の会社に転職する際に、米国の玩具チェーンである「トイザラス」が日本に進出してきた。そのときに、店長を募集していたので、当時は外資系の会社も珍しく大型店舗の店長であれば社長のような仕事ができるものと期待して面接を受けた。

面接の担当官に、「トイザラス」の店長になって、何がしたいと思うか?と質問を受けたので、日本にあった品ぞろえを考え、日本では珍しい外国のおもちゃを、ぜひ、日本で普及させたい。と思いのたけを語ったところ、「トイザラス」の店長は、商品の品ぞろえについて考えて貰う必要はない。それは本部の仕事である。お店の接客と、店舗を清潔に保つこと、売場のメンテナンスに注力してもらうのが、店長の役割だと説明を受けた。

それを聞いて、私はその場で辞退した。創意工夫をして、自分が思った事に挑戦することが出来ないと思ったからである。

その後、現在の会社に入り、米国の店舗視察を何度か経験した。20年ほど前に初めて米国に視察に行った時の衝撃は今でも忘れない。もちろん、個人的にも初めての米国であったということで、見るものすべてが新鮮であったということもあるが、とにかく、商業施設の大きさと、陳列の見事さ、お店の清潔さが日本の商業施設とは比較にならないほど、素晴らしかった。

陳列は、とにかくきれいに並べられており、ラベルの向きも全てきちんと揃えられている。
現在の日本のスーパー、商業施設でも、このような陳列はしていない。ディスプレイのセンスの良さも比較にならない。確かに、きれいに並べても、すぐに売場が崩れるから、人件費も考えるとその必要は無いということかもしれないが、米国においても、それは同じである。それでも常に補充、陳列のメンテナンスはなされているのである。

そこで、私も、どのようにして、この売場の状態を維持しているのか?と興味を持ちずっと観察をしたものである。そうすると、こんな光景に出くわした。

割と年配のおじさん、おばさんが、ノロノロと商品の補充をして、陳列のメンテナンスをしているのである。その動きは、ゆっくりとしており、テキパキしているとはお世辞にも言えない。日本で言うところのガンバリズムは微塵もない。彼ら、彼女らは、決められた手順で、ひたすら同じ業務を繰り返すのである。お分かりだと思うが、彼ら、彼女らはベテランでも、陳列の専門家でも無い。普通の人達である。

その後、我々の同業のチェーンも見学し、お店の運営については色々と教えてもらった。ここでも、考え方は、店舗は、本部からの指示に従い、売場を作り、アルバイトを教育し、運営レベルを一定に保つ。店舗の清潔さを保つため、決められた手順で、掃除をしっかりと行うことが店舗の役割であり、売上や利益責任は負わない。

これが、米国のチェーンストアの考え方である、多くの日本人は、なじめないのではないだろうか。
非人間的なシステムとして受け入れられないという人も多いだろう。私も、米国の経営はドライだとずっと思ってきた。

これは、つまり日本式経営と米国式経営の違いでもあるわけであるが、最近、私も少し考え方が変わってきた。

「ガンバリズム」と「スーパー店長」の話の続きをする予定であったが、今回も長くなったので、次回に続けたいと思います。

「ガンバリズム」と「スーパー店長」

ここ数年、景気の悪化に伴い、売上も伸び悩んでいる企業も多いと思う。
当社もこの数年間は、既存店前年比が、前年割れで推移している。

こうなってくると、業績報告会は暗くなる。毎回、予算割れ、前年割れの報告が続き、その地区担当マネージャーや店長は、今まで何の努力をしてきたのか、もっと気合いを入れて業務に当たるよう叱咤激励され終わる。

業績を改善するためには、気合いだけではなく、業務の手順の見直しが不可欠である。
問題点を特定し、改善しない限り、何も状況は変わらない。

一方、「スーパー店長」と呼ばれる人達がいる。以前に、ユニクロさんでも事例として取り上げられたので、お聞きになった方も多いと思うが、当社でも、名称は違えど、似たような概念はある。

その人が、店長に就任したとたん、売上前年比は、大きく改善され、赤字店舗が黒字店に転換するということが、現実におきる。そうなってくると、そのような優秀な店長は報酬で報いなければならない。スーパー店長に対応した報酬体系をつくらなねばならない。
役員クラスの報酬を支払っても良いという、嘘のような本当の話が出てくる。幸い、当社でも実現に到っていないのは幸いであるが。

では、その「スーパー店長」は、その後、どうなったか?本当に実力があれば、早々に、役員クラスに就任してもおかしくないが、そのようにはなっていない。実績が続かないのである。

なぜ、このようなことが、実際に起こるのか?

店長が変わった途端に、業績が上向いたり、悪化したりすることはよくある。そのため、店長の力量が業績に大きく影響を与えているということも事実である。ところが、実際に、店長にヒアリングをしてみると、特に変わったことをやっていない、自分でも自覚が無いというケースが多いのである。

つまり、当たり前のことを、当たり前に実施した。自分が就任した時には、運営状態が悪かったので普通のあるべき状態に戻したことが、業績改善につながったようだ、というケースが実は一番多いのである。

私はここに答えがあると思っている。やるべきことを、きちんとやる。やるべきことが、出来ているかどうかをチェックし、出来ていない場合は指導する。そのためには、やるべきことが、きちんと体系的に整理され明文化されていないといけない。

それでは、どうやって実現したら良いのか?

長くなったので、次回は、この点について、書いてみたいと思います。

ファイナンス教室


[実況]ファイナンス教室 (グロービスMBA集中講義)[実況]ファイナンス教室 (グロービスMBA集中講義)
(2010/10/23)
グロービス星野 優

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グロービスからファイナンスの解説書が出ました。私も今まで色々なファイナンスに関する書籍を読んできましたが、グロービスの書籍が非常に体系的にまとめられ、かなり細かな部分まで理論的に解説されていたので非常に重宝しましたので、今回も思わず買ってしまいました。

内容の方ですが、今回は、ファイナンスの初心者向けに書かれているだけあって、非常にわかりやすく、色々な例え話で理解が深まるように工夫されております。

ファイナンスを担当する部門担当者だけでなく、ラインのマネージャーや、これからファイナン理論を勉強する方、何冊かファイナンスの書籍を読んだけど、難しくてやめてしまった方は、一度読んで頂けたらと思います。

ある程度、勉強されている方で、より理解を深めたいという方は、以前にもご紹介しましたが

[新版]グロービスMBAファイナンス[新版]グロービスMBAファイナンス
(2009/05/29)
グロービス経営大学院

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がおすすめです。

最後に、「ファイナンス教室」を読んで気になったのは、内容をわかりやすくするあまり、肝心の部分の解説が省略されている事、ファイナンス理論の割引率に関する解説等で、疑問符がつく部分が散見された。今回の執筆者が今までと違う方によるためかと思いますが、同じような印象を持つ方はおられると思います。

とはいえ、ファイナンス理論を勉強してわかりにくくなる部分として、最適資本構成や割引率の設定の仕方、各種の経営指標の概念において、解説書によって内容や見解が異なっている場合が多いので、あまり細かい事は気にせずに、いくつかの考え方が存在するものとして理解した方が、理解は進むと思います。

ファイナンス理論は、米国から日本に入ってきた理論ですので、外国の書籍の翻訳が多く、この翻訳の過程や、日米の会計基準の違い等により、どうしても日本では、なじみがない言葉、概念が入り込んでくるため、このような事がおこります。色々な考えを理解した上で、自社にあった方法で応用していきましょう。

私の恩師

私が、経理課長になった頃、ちょうど、当社で店頭公開の手続きに入る時期でした。

私は、中途入社組で、前職は会計事務所に3年間務めておりました。3年間とはいっても、かなりのクライアント数をもっていたので、決算、税務申告までの業務はひととおり習得しておりました。

ところが、店頭公開の準備資料づくりは、初めてのことですし、何より一番困ったことが、税務申告手続きを主体にした会計処理から、上場企業を前提にした会計処理とでは、随分考え方もやり方も違うことでした。有価証券報告書の作成も初めてです。

経験された方はわかると思いますが、税務申告だけであれば、利益、所得金額さえ正しければ、経理処理の仕方は、それほど神経質になる必要は無いのですが、上場企業は、商法、証取法に則り処理をしなければなりません。

この考え方の違いを理解するのにずいぶん時間がかかり、さらに連結決算手続きも必要になってきました。ここまでくると、能力が追い付かず、当時の監査法人の代表社員であった大先生に相談したことがあります。

「やはり、上場するとなると、公認会計士や税理士の資格をもった人が、経理責任者にならないと無理ではないか?自分では無理ではないか?」自分を否定するようで、つらい話でしたが大先生は、こう話してくれました。

事業会社で求められる経理責任者と公認会計士とでは、求められるものが全然違う。公認会計士や税理士は、会計、税務のプロだから、会計、税務に関することは網羅的に把握していなければならない。一方、事業会社の経理の責任者が、会計、税務について自分の業務に関連しない事まで覚える必要は無い。ただし、自社や業界のに関連する会計、税務については良く理解しなければいけない。範囲が限られている分、その分野については、自ずと強くなるものだし、むしろ強くならなければいけない。このような特定分野では、公認会計士よりも詳しくなるものだ。

結果、公認会計士は、知識は広く浅くなりがちなので、ある検討事項が発生した時には、逆に、そのことに詳しそうな会社の経理責任者に教えてもらうことになる。逆に、事業の経理の責任者は、自分が分からない事があれば、会計士に質問したらいいだけだそれにこたえるのが会計士の仕事である。

会計方針を決めるにしても、自社、業界にあった考え方を判断できる事業会社の経理責任者と公認会計士とが、共同で作業を進めていくものだと話してくれました。

この言葉を励みに、今まで18年間、ずっとがんばってきました。18年間やり続けていると自分たちが関連する事については、会計、税務のみならず、法律等にも詳しくなってきます。
大先生の言っていた話は本当でした。

今も私が仕事を続けていることが出来ているのは、この恩師の言葉があったからだと思います。直接、お礼をお伝えした事はありませんが、このブログをもって、感謝の気持ちをお伝えしたいと思います。

経営は「実行」(改訂新版)


経営は「実行」〔改訂新版〕経営は「実行」〔改訂新版〕
(2010/10/07)
ラリー ボシディラム チャラン

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「経営は「実行」」の改訂新版が刊行された。著者であるラリーボシディは、GE(ゼネラルエレクトリック)で副会長を務め、当時のジャック・ウエルチが「最高の友人であり最高の部下」と賞賛している。当然に、ジャックウエルチ時代のGEでの経営手法がベースになっており、その意味では、GEにおける経営手法についても触れられており非常に中身が濃い、おすすめのビジネス書だと思います。また、ラムチャランも著名なコンサルタントであり、大学でも教鞭をとっている。アカデミックな立場の方と、経営の実務者のコラボとなっており、対比して読める点も楽しめます。

経営においては、「実行」が大切である。掲げた目標、実行項目は、常に「実行」されなくてはいけない。その「実行」を進める為に「人材プロセス」「戦略プロセス」「業務プロセス」を、それぞれ連動させる必要がある。

また、多くの企業で見られる失敗として、リーダーは実行を他人に任せ、もっと「大きな」問題に注力すべきだと考えている点にあると言う。

実行とは何をどうするかを厳密に議論し、質問し、絶えずフォローし、責任を求める体系的なプロセスである。経営環境を想定し、自社の能力を評価し、戦略を業務や、戦略を遂行する人材と結びつけ、様々な職種の人々が強調できるようにし報酬を結果と結びつける事である。

つまり、経営者は、常に細部まで理解する必要があり、絶えず質問を繰り返し理解を深め、部下に委任するのではなく積極的に関与する事が大切であると説く。

本書は、実務家による実務書であり、各パートついては細部にまで解説されており、それを、ラムチャランの解説により、非常に体系化されたものとなっております。「人材プロセス」「戦略プロセス」「業務プロセス」の3つのプロセスのパートも圧巻であり、非常に参考になると思います。

文中には、実際に、ラリーボシディが、幹部と人事評価、業績レビューをしている場面も出てきますが、これほど、具体的に、かつ細かな点までフォローをするものかと驚くと思います。類い稀なる経営者とは、やはり凡人とは明らかに違うものだと感心してしまいます。(ジャックウエルチと似ている点も多く見られます)

CEO、CFOだけではなく人事、経営企画のスタッフも是非、本書を読んで頂けたらと思います。間違いなく多くのヒントを得る事が出来ます。






残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法

橘玲氏の新刊が出ました。私は非常に好きですので、毎回楽しみにしておりますが、今回も一風変わった内容になっております。

今回のキーワードは

「伽藍を捨ててバザールに向かえ」

「恐竜の尻尾のなかに頭を探せ」


残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法
(2010/09/28)
橘玲

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今回は、自己啓発に関する内容になっておりますが、巷あふれる自己啓発を否定する内容となっており、著者らしい独自の理論展開が非常に面白い内容となっております。特に、経済評論家の勝間和代(カツマー)と精神科医の香山リカ(カヤマー)との論争を引用して、自己啓発に関する考え方を解説したり、ドラエモンを事例にしたり、斬新な論理展開にひさしぶりにカルチャーショックを受けました。

いつも驚かされるのは、著者の幅広い知識です。今回も、様々なジャンルからの研究事例がちりばめられ、著者の考え方を補強していきます。囚人のジレンマ、20世紀少年、やっても出来ない「成功哲学」等々面白い話がたくさん出てきます。

ただ、この本を自己啓発書として読む事はおすすめしません。全体的には、自己啓発を否定する内容ですので、自己啓発書としての期待を持って読むと期待を裏切られます。あまり書くとネタバレになるので控えますが、私は個人の努力を否定しないし、目的、目標をもってがんばる事が無駄になるとは思いません。自己啓発書もかなりの冊数を読んできましたが、何らかの形で私に影響を与えていると思っております。何事も知らないよりは、知っている方が良いわけで、色々な事を知る事で場面場面で役立つ物です。知らない事については、応用もインスピレーションも湧きようが無いのです。インプット(知識)は、多い事にこしたことはありません。

本書には、自己啓発について否定した上で、著者からの解決案が提示されます。それが、以下の2点です。

「伽藍を捨ててバザールに向かえ」

「恐竜の尻尾のなかに頭を探せ」

内容については、みなさんでお確かめください。

私の感想をまとめますと、自己啓発書としては過度な期待を持って読まない方がいいと思いますが、読み物としては非常に面白いと思います。今まで正しいと思っていた事が実は間違っているのではないか?と思わせる内容が多く、脳に非常に刺激なります。それが、著者である橘玲さんの真骨頂でもあるわけで、その意味においては、橘さんらしい内容になっていると思います。


ノンリコースローン

「ノンリコースローン」というのは、非遡及融資とも呼ばれ、融資対象の資産売却や収益のみを借金の返済資金として充て、その範囲以上の返済義務を負わないという仕組みになっています。非遡及ということは、借入金の返済が出来なくなっても、借主に遡及しないということです。

つまり、この融資は、融資対象物件の価値やキャッシュフローを担保に融資をするので、借主の与信をみるわけではないのです。(モノに融資する)

では、もし借入金の返済が出来なくなくなってしまった場合は、どうなるのか?

その時は、融資対象物件を手放すことで、借入金の返済義務がなくなります。

先日、毎月100万円を受け取ることが出来る権利の話をしましたが、毎月受け取る100万が確実であれば、個人でも「ノンリコースローン」を使うことで、多額の借入が可能になります。

「ノンリコースローン」は、貸主がリスクをかぶることになるので、通常は、金利は高めになります。

しかしながら、物件さえ良ければ、金利が高くても個人の与信に左右されず、個人に返済義務が遡及してこない形で資金調達が出来るので、貸主と借主、双方にメリットがあるファイナンス手法です。

このように、「ノンリコースローン」は、貸主に高度な物件評価能力が要求されるものであり、日本の金融機関
によく見られる担保至上主義とは一線を画するものです。

ちなみに、米国における住宅ローンは、「ノンリコースローン」が主流となっております。

毎月100万円もらえる権利をいくらで買いますか?

もし、あなたに毎月100万円支払われるという権利を買って欲しいと言えば、あなたはいくらで買いますか?一生貰えるのであれば夢のような話ですが、買い手はあなただけではありません。一番高い金額を出した人が手に出来ます。10億円でしょうか?50億円でしょうか?


意外に思われるかもしれませんが、大体、1.2億円~2.4億円
ぐらいが妥当なラインではないかと思います。

なぜでしょうか?

仮に、あなたが2.4億円でこの権利を買ったとします。買うためにはお金を調達してくる必要がありますが、一生収入があるので、一生元金の返済は無しで金利だけを支払うという条件で借りたとします。
今は、金利は低いですがバブルの時は、金利が8%ぐらいの時期もありましたので一生の金利を固定金利5%で借りたとします。これはかなりの好条件です。

では、実際に試算してみましょう

あなたの収入は、毎月100万円(年間1200万円)です。あなたの支払金利は2.4億円×5%=1200万円(年間)となります。全て金利の支払いに消えますので手残りはありません。毎月100万円受け取る権利は変わらないので、この権利を売却するときは、同じで値段で売却できるはずなのでこの権利を売却した時に、借入金の精算をします。期間中も、売却後も全て±0円です。

このように、あなたがこの権利を買うためかかる調達コストが5%の場合の価値は2.4億円が適正価格となります。この場合、あなたは、2.4億円を上限としてそれよりも安く買えた部分が利益になります。逆に、この金額よりも高い値段で買うと損をします。あなたの調達コストが10%の場合は、1.2億円が適正価格になります。

今回は、あなたが買い手の場合の話ですが、あなたが売り手の場合でも同じ考え方になります。

この考え方は、毎月家賃収入が入ってくる不動産の価格算定、黒字のお店が売りに出たときの価格算定、黒字の会社が売りに出た時の株価算定でも基本は同じです。

これは、コーポレートファイナンス理論におけるDCF(ディスカウンテッドキャッシュフロー)法を簡略化したもので、どんなものにでも値段をつけることができるのです。

この理論は非常に便利で、芸術的でもあります。

予算はいらない?

そろそろ来期の予算の準備が始まります。毎年、膨大な時間を割いて予算を取りまとめている会社も多いと思いますが、今回はこの予算について、考えてみたいと思います。

予算の達成度は、給与と連動しておりますので、当然の流れとして各部署の責任者は、自分たちの部署の予算を極力低く抑えたいと思っております。その結果、ボトムアップで予算を集計すると必ず低い目標数値になります。

一方、経営陣は意欲的な数字を達成したいし、IRもあるので、目標数値の目線が高いのが通常です。そこで、トップダウンで目標数値を決めて、各部門に落とし込みをすると、各部門長からは不平不満があがり、最後には、業績未達の原因を予算が高すぎたからだという言い訳に使われてしまいます。

また、トップダウンで全体の数値目標が決まったとして、今度は、各部署間の公平性を担保するための調整があるので、この作業でも膨大な時間が使われます。

達成可能で、みなに公平な予算を作成するということは、各部署の業績を鑑み、イレギュラー要因を取り除いたうえで、各部門長に納得を得るということであり、そんなことは不可能なことだとわかるはずです。

それではどうすれば良いか?

企業が存続するためには、増収増益を目指さなければいけません。悪くても減収増益は維持しなくてはいけません。減収減益が続くと会社は存続できなくなります。その過程ではリストラもしなくてはいけませんのでこのことは、全社員が理解できるはずです。


それでは、なぜ予算の作成の段階になると、こんなにもめるのか?それは、予算が社員の評価と連動していることに原因があります。

そこで、予算はなくしてしまい、社員、部署の評価は、前年の実績と比較して評価する。売上の達成度は業界全体の前年比と比較して評価することにする。従来の予算は、目標数値として自発的にストレッチした数値を設定し、管理していく。達成できなくても構わない。こうすることで、チャレンジする土壌がつくれるようになります。各部署が増収増益、悪くても減収減益を前提に、自主的に考えて取り組んでいく風土が出来れば企業の業績も安定していくでしょう。

最後に対外的に発表する業績目標はどうするか?

私は最低限達成可能な、コミットメントに近い数値を出すべきであると考えます。つまり、基本的には、これより悪くなることはない数値、つまり対外発表数値よりも、常に実績は上ブレること目指すということです。これにより株式市場の信頼にも答えることにもなると思います。毎回、会社からの業績見通しを下回る会社と、毎回上回る会社とどちらが良いと思いますか?

「持たざる経営」と「持つ経営」

資産を極力持たない、スリムな経営が良い。目指すべきは無借金経営である。

良くこんな話を耳にする。これは、ダイエーをはじめ、過去に不動産を持ち、その含み益をもってさらに銀行から資金を調達し事業を拡大していった末に、経営破たんした企業が多く出たことによる影響もあるだろう。

しかし、本当にそうだろうか。私は、資産を「持つ」、「持たない」の2者択一の話では無いと考えている。余剰資産を持つことは、論外であるが必要な資産については、「買う(持つ)」か「借りる」ことになる。

投資をする時点で、買った方が得なのか、借りた方が得なのかを判断すれば良いのである。不動産価格がかなり下がっている時期には借りるよりも買った方が得な場面がある。不動産を借りていると、将来的に家賃が値上がりするリスクがつきまとう。(その時点の賃料が安いため)不動産を買っていればそのようなリスクが回避され、設備
投資も自由にできる。将来的に相場が上がって、借りた方が得な時期が来たら、資産を売却して今度は借りれば良いのである。本業とは別に儲けることもできる。小売業においては、自分たちの思った通りのレイアウト、動線確保、生産性向上のために自由に建物を設計できることは、非常に大切なメリットである。

不動産の転売を前提にしないので、予想に反して不動産価格があがらなくても投資時点で、買った方が得であるという判断に基づいて事業をやっているのであれば特段デメリットは出ない。これは不動産を本業とする会社には出来ない、事業会社の強みである。本来の事業でリスクヘッジが効いているのである。

最悪なのは、思いつきのように何の根拠もなく総資産を圧縮しようとすることである。
無理に資産を処分しようとすると、売買交渉においても不利な立場での交渉となり、結果的に損をすることになる。特に、不景気で業績が悪化してくるとこのような話が多くなるが、その時は、相場も悪化しているので、安値で処分する羽目になる。総資産に目標金額を定めることも、同じ理由で合理性は無いが、これもよくある話である。

年功序列と終身雇用

日本的経営の象徴であった年功序列と終身雇用が否定されて随分たった。

若者からみると、自分たちよりも年齢が高いという理由だけで、自分たちよりも給与が高い中高年に対して不満を持つ。また、その状況は、いくら自分が活躍し成果を上げても変わらない、給料が多くもらえるわけではない。

そんなこともあり、欧米を見習い成果報酬を導入し、年功序列、終身雇用を廃止してきた。日本の場合、導入の動機が結局は人件費を下げることが前提になっていた企業が多かったこともあり、現在は成果報酬という言葉は、徐々にトーンダウンしている状況である。

本当に年功序列制度は悪い制度なのか?

結婚していない人には、結構している人が困っていること、ニーズがわからない。子供がいない人が、子供向けの商品、サービスを考えてもうまくいかない。小さな子供がいる人でも、大学生、成人した子供をもつ親の気持ちは理解できない。

当社はまだ歴史が浅いので、今でも社内で50代の人は少ない。定年退職された方も数人しかいない。今、ようやく家庭をもち、幼稚園、小学生のお子様をもつ社員が、多くを占めるようになってきた。私が入社したころは、みんな若く結婚している人間がほとんどいなかったので、当時の商品、サービスは、まさに若者を中心したものであった。
自分たちがいいと思ったものを売ってきたからだ。当時は、子供向けの商品、サービスには、全く興味がなかったので非常に手薄になっていた。月日がたち、現在は、ファミリー向けの商品、サービスが増えている。しかし、シニア層向けの商品、サービスは今だ手探り状態である。

今まで生きてきた期間に起こった色々な出来事、苦労、失敗、成功は実際に経験してはじめて、本当に理解できるものである。経験していない事を想像したり、書物からバーチャルに体験することは出来るが、実経験に勝るものは無い。
そういった意味では年齢が高い人は、低い人よりも、長く生きてきただけ、多くの事を経験しているわけで、年功序列制度は、決して悪いものでは無いと思う。

少なくとも、人は、年々経験を積んで、仕事が出来る能力は高まっていくわけで、間違っても、年々、能力が低下している訳ではない。(ここでは、肉体的能力を必要とする仕事を前提にしていない)にも関わらず、成果報酬に基づき年収が減っていくことが多くなるという制度が本当にいいものなのか?成果の達成度には予算の設定の問題もつきまとう。

そろそろ給与制度について考えなおす必要がある時期に来ている。

「いい会社」と「悪い会社」

「いい会社」とは、どんな会社だろうか?

業績が良く、社員の給与水準も高く、教育制度も充実し、福利厚生が充実しており、社員が楽しく働ける環境がある。よく訓練された社員がおり、社員の満足度(ES)、が高いので、接客も自然とよくなり、お店の雰囲気も良い。

設備のメンテナンスも定期的に実施し、常に生産性の高い、気持ちの良い環境を従業員にもお客様にも提供できている。

事業が順調に拡大しているので、取引き先との取引高も大きくなり、取引先も事業が拡大していく。結果、株主への配当、株価も順調に伸びていく。

従業員、お客様、取引先、株主といった4つのステークホルダー全てが満足している。


「悪い会社」は、業績も悪く、社員の給与水準は低く、教育もほとんどなされず、福利厚生もない。
社員がすさんでいるので、雰囲気も悪く、接客も悪くなる。お店も汚く暗くなる。取引き先も、取引高が年々減少し、元気がなくなる。

「いい会社」が「悪い会社」を買収し、経営を立て直すことで、「悪い会社」の従業員、取引先、株主も幸せになる。

「いい会社」が増えれば、日本の未来も明るくなり、経済も良くなっていく。

「いい会社」になれるように、がんばっていきたい。

事実に基づく意思決定(中国人旅行客と団塊の世代)

近年、中国が非常に発展し、日本への旅行客が増えている。そのため
各都道府県は、中国からの観光客の取り込みに力を入れている。

小売店も中国からの旅行客を目当てに品ぞろえやサービスをを色々と工夫している。

また、団塊の世代が引退することで、お金も時間も持っているシニア層を
ターゲットに、各社色々と品ぞろえやサービスを開発している。

このような大きなトレンドは、皆が理解していることであり、そのために
色々と企画を練り、試行錯誤を重ねているが、なかなか目立った成果は
あがっていない。

原因は色々あると思うが、少なくとも中国の旅行客や、団塊の世代に対する
商品、サービスを考えている人間が、彼らのニーズを理解できていないという
根本的な問題があるように思う。

当社でもシニア層向けの商品、サービスを30代の人間が考えている。本当に
シニア層に来店してもらい、商品を買って欲しければ、同年代の人間が、担当
する方が良いであろう。年齢、人生経験というものは、実際に体験しない限りは、
理解できる範囲はあくまでも限定的で、空想、想像の域を出ない。ましてや、
中国人旅行客がどんなものを欲しているのかを知ることは更に難しい。

では、どうすれば良いか?

中国人旅行客や団塊の世代の増加といったトレンドは、今、突然に
始まったことではない。この何年かの間に時間をかけて兆候は出て
いたはずである。自社の売上データーを細かく見て、売上が増えて
来ているものの品ぞろえは拡大し、売上が減ってきているものは、
徐々に縮小していくことを続ければ、自然と世の中のニーズに対応できている
はずである。品ぞろえについては、品目だけではなく、価格帯も
良く見ておくことである。

ここで大切なことは、「事実に基づく意思決定」をすることである。理由は
わからなくても良い。売れているものは、素直に拡大することである。
素直に拡大している間に、後から売れている原因がわかるものである。

逆に売れ続けると思っていたものが、思ったよりも長続きしないときは、
素直に手じまいしていくのが良い。
大切な事は「事実に基づく意思決定」をすることである。そこに、余計な判断は入れては
いけないのである。

中国人旅行客や団塊の世代の取り込みのために、色々仮説を作るのは良いが、
全ては「事実に基づく意思決定」を積み重ねていく事である。

4つのステークホルダー(利害関係者)

企業には、4つのステークホルダー(利害関係者)が存在する。株主、従業員、お客様、取引先である。我々は、この4つのステークホルダーを常に意識して経営をしていくことが大切である。業績(株主)が良くても、従業員や取引先の犠牲の上に成り立っていては意味が無い。また、お客様、従業員が喜んでくれていても、利益を確保できなければ会社は存続できない。従業員に喜んでもらい、お客様にも喜んで頂く事で売上げが増え、取引先も潤う。結果、会社の業績も良くなるという状態が一番である。

これから、予算、中期経営計画の見直しが始まる時期である。来期の予算、実行項目を洗い直す段階で、この「4つのステークホルダー」も意識して計画を立てていただけたらと思う。



実践無き理論は空虚なり、理論なき実践は暴挙なり

「実践無き理論は空虚なり、理論なき実践は暴挙なり」

誰の言葉かは知らないが、私はこの言葉が好きだ。色々な知識を身につけて、様々な経営理論にも興味を持って勉強しても、実際に実行してみないと役に立たない。実行して初めて、知識が知恵となっていく。スタッフ部門には、評論家が多く、頭でっかちになりがちである。
反面、ライン部門は、思いついた事をどんどん実践していく。知らぬが仏で、とんでもない方向に向かっていても気がつかない。悪い事をしているつもりは全くないが、会社に損害を与え続け、回りにも迷惑がかかる。自覚症状が無いので始末が悪い。何かを思いつき、実行する場合は、理論を組み立てた上で実施し、検証をしていかなければならない。

CEOとCFO、ラインとスタッフが、いい形でチームとして動く事が大切である。ライン部門とスタッフ部門とは対立する事が多いが、スタッフ部門は、問題点を指摘したり、批判をするだけでなくきちんと解決策も提示すべきである。ライン部門は、自分たちが実行する前に、コーポレートスタッフにも共有しアドバイスをもらいながら、仕事を進めるべきである。現実には、ライン部門が相談に行っても、スタッフ部門からは、ダメだしをされそのまま放置されて業務が進まなくなる事が多い。

「実践無き理論は空虚なり、理論なき実践は暴挙なり」この言葉を皆が理解し実践すればもっと、会社は機能していくであろう。

ビジョナリ-カンパニー3 衰退の5段階

ビジョナリ-カンパニーの最新刊が出ました。今回は、企業が衰退に向かう道を5段階に分けて解説されております。

ビジョナリー・カンパニー3 衰退の五段階ビジョナリー・カンパニー3 衰退の五段階
(2010/07/22)
ジェームズ・C・コリンズ(James C. Collins)

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著者であるジェームズ.C.コリンズは、企業衰退への道を

1.成功から生まれる倣慢
2.規律なき拡大路線
3.リスクと問題の否認
4.一発逆転の追求
5.屈服と凡庸な企業への転落か消滅

の5段階に分ける。

また、その処方箋として

1.成功を疑い、成功を恐れよ
2.一発逆転を狙うな
3.残酷な現実を直視せよ
4.答えはいつも「社内」にある
5.絶対に屈服するな

と説く。

当社もベンチャー企業であったのが、今はそれなりに会社も大きくなってきており、すでに5段階目に入っているのではないかと思う。私が入社した当時は、学生サークルのような雰囲気すらあったほど自由で闊達な会社であったが、今や私も45歳となっており、当然に、社員の平均年齢はも上がってきている。今となっては、当社のビジネスもITも凡庸なものとなってきている。

私がこの本の中で、一番痛切に感じたのが、第4段階目の「一発逆転の追求」である。当社も踊り場を迎えるたびに一発逆転を狙ってきた。小手先のV字回復、経営陣の入替、外部のコンサルタントの導入等である。特に社内が病んだのが、外部のコンサルタントを導入した全社プロジェクトである。コストが莫大にかかる上に、社内は病んでいった。過去に3回ほどコンサルタンがを導入されたが全て大失敗で終わった。

失敗の理由は様々であるが、この事については、今後取り上げていきたいと思う。ただ、過去の経緯も含めて私は著者が説く「答えはいつも社内にある」という考え方に賛同する。そう、いつも、答えは社内に存在している。過去のコンサルタント導入時は、私は、経理部長であったが、コンサルタントのヒアリングに恐ろしく時間が割かれたうえに、何の結論も出なかった。しかしながら、社内の主要なメンバー同士では、当時の会社の問題点をみなある程度の共通認識があり、対策もあったのであるが、とにかくこのような状況のときは、社内が混乱している。どこの誰に、どのように伝えて進めていいのかがわからないのである。しかも、並行してコンサルタントが全社的に分析、改善提案をしている中なので、なおさらである。皮肉な事に、コンサルタントが去っていって、ますます混乱した後の再建プロジェクトの中で、やはり社内の人間で改善するのが良いという結論にいたるのである。

にも関わらず、何年か毎に同じ事が繰り返される。その原因として、当時の社員は退社してしまっており、その状況を共有している人間が減っている事、また、往々にして、コンサルタントの導入時には、社内の大幅な組織改革、経営陣の入替が発生する事で、新メンバーが担当する事になるが、この新メンバーは比較的入社歴が浅いため社内の事を理解するために、以前と同様、全社ヒアリングを実施する事になり、同じ事を繰り返す事になるのである。
そして、当社は、向かうべき方向性がまだ定まっていない。業績は芳しくない。今、私は、自分なりの考え方をまとめているところである。その内容は、財務的な話よりももっと、組織のあり方、人材育成のあり方、現在のビジネスのブラッシュアップ、商品力、発注のあり方(在庫の持ち方)も含め広範にわたる。また、一番の問題である「大企業病」の克服も含めて考えている。

実は、現在私は、CFOの役職についていない。つまり、色々考えたところで、社内に反映させるには前述したように、どこに話を持っていって進めるかは大きな問題である。ただ、いつでもCEOに話を聞いてもらう事は出来るのでタイミングを見て私なりの提案をしていきたい。このブログでも時々状況は書いていこうと思う。

TOC理論(制約理論)

『ザ・ゴール』のエリヤフ・ゴールドラット博士の特別寄稿について

TOC(制約理論)の特別寄稿をご紹介します。

http://diamond.jp/articles/-/9798

TOCは、私も非常に好きな理論でありますが、今回は電子部品業界の現状について、TOC理論の視点から解説されております。TOCに出てくるスループット会計については、会計の専門家から見ると違和感を覚える向きも多いかと思いますが、それを割り引いてドラムバッファロープ、ボルネックの解消の概念は非常に参考になると思います。

今回は電子部品業界におけるリストラと最近の設備投資の増強について警鐘を鳴らす内容となっており、TOC理論の活用法として非常に参考なります。正しいデーター分析、KPI設定の好事例です。

CEOとCFO

前回、CFOが機能しない理由として、CFOに経営的視点が欠落している事をあげた。しかし、その反対の事例としてCEOの知識不足もあげられる。特に、ベンチャー、中小企業に多く見受けられるが、会計、税務、法務、コンプラ等に関心が無い経営者が多い。これでは、CFOが意見しても話が噛み合ない。結果、CFOは、煙たがられる存在となってしまう。そもそも、CFOは不要であるという事になってしまう。

これでは、会社も大きくならないし、早晩、資金繰りが破綻し経営が立ち行かなくなるであろう。CEOも最小限の知識として会計、税務、法務等を学ぶ必要があるし、CFOも、経営的視点を持つべく、日々努力をする必要がある。そうすることで初めてCEOとCFOとで会社の重要な案件、方針について、ともに語り合う事ができるようになるのである。

そうするころで、CEOが進めたいプロジェクト、投資案件にCFOが懸念を示した場合でも、CEOがCFOの心配している点を理解する事が出来れば、双方、前向きに解決策を検討する事が出来るようになる。

CEOとCFOがは、車の両輪のようにうまく機能すれば、企業経営にもドライブがかかっていく。反対に、CEOとCFOが反目し合っているようでは、社内の雰囲気も悪くなり、早晩業績は下降に向かうであろう。

経営とは、科学(Sciense)と芸術(Art)の融合である

経営とは科学(Sciense)と芸術(Art)の融合である。どちらか一方だけでは、なかなかうまくいかない。この点が、日本と欧米企業との差につながっているように思う。経営者は、その事を念頭に入れた方が良い。そのためにもCOO、CFOをそれぞれ配置し、経営者(CEO)はバランスを保った判断を下していくことが大切である。

経営者が、COO、CFOのどちらかの資質をもっているなら、兼任でも良いとは思うが、必ず、両方のバランスを保つ必要がある。

ところで、日本におけるCFOの役割は、いわゆる経理部長、財務部長、あるいは管理部長が担当するケースが多いが、どうしてもうまく機能しない事が多い。その理由としてCFOに経営的な視点が欠落しているということがあげられる。そのため経営者と話をしていても噛み合わないのである。

CFOとしての役割は、評論家になってしまうのではなく、実際に業績の改善、財務の改善に直接的に貢献することが大切である。そのためには、重要な投資案件、プロジェクトの意思決定の際にも、事前に解決しておくべき課題、事業計画の精査、ファイナンスの手段について積極的に関与し、成功に導く事である。現在の業績は、6ヶ月前、1年前、あるいは2年前に意思決定をしてきた結果によるものであり、その結果が会社のBSにも反映されているのである。

CEO、CFOが自信を持って決定してきたプロジェクトは、当然に成功確率が高くないといけない。失敗が続いているならば、意思決定プロセスを改善していく必要がある。その点においても、CFOの役割は大きい。

仕事が速くなるプロの整理術

仕事が速くなる プロの整理術仕事が速くなる プロの整理術
(2008/11/20)
吉越 浩一郎

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以前にご紹介した「デッドライン仕事術 (祥伝社新書)」の著者、元トリンプインターナショナルの吉越 浩一郎氏の新著です。今回は、かなり具体的に仕事のやり方について書かれており、あの有名な毎朝の早朝会議の運営方法についても、書かれておりますので、同氏の過去の著作を読んで感銘しつつも、具体的にどのように行動したら良いかがわかりにくかった方も、これでスッキリするのではないかと思います。

目次
はじめに
■書類を整理する方法の「世界的な名作」
■A4の紙はメールと相性が良い
■仕事のプロになるには整理のスキルアップが必須

パート1 整理術の基礎
「情報整理バブル」から抜け出し、実用的でシンプルな仕組みを作る

パート2 メリタ式の書類整理術
「やるべきこと」をA4の紙で一元管理する

パート3 図とイラストの描き方
「伝えるべきこと」を図解してロジカルに仕事を進める

パート4 アナログとデジタルの融合
GメールとグーグルカレンダーにiPhoneからアクセスする

パート5 整理術を活かす働き方
「質問」で行動を整理する

仕事の整理法、管理方法は、デジタル情報に集約するか、アナログ(紙)で管理するかは、常に悩ましいところですが、このバランスを絶妙にとった仕事法が解説されております。ドイツ企業のメリタでの仕事のやり方がベースになっているとのことですが、ヨーロッパ企業の仕事のやり方について解説されている本は、あるようでなかなかありませんので、この点も面白いと思います。私も取り組んでみましたが、かなりいい感じで仕事ができておりますので、ぜひ、参考にされてみたら良いと思います。部下に依頼した資料の管理方法も非常に参考になります。後半部分は、図解を活用したメモ法や、効率的な仕事を進めるための考え方、方法論となっておりますが、非常にわかりやすく絵にまとめられており、やはり優秀な方は、凡人とは違うなということを、感じさせられます。今までの中で、本書が一番内容がよくまとめられいると思います。

お金がなくても平気なフランス人 お金があっても不安な日本人


お金がなくても平気なフランス人 お金があっても不安な日本人 (講談社文庫)お金がなくても平気なフランス人 お金があっても不安な日本人 (講談社文庫)
(2007/01/12)
吉村 葉子

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しばらく本格的な書籍ばかりご紹介しておりましたので、今回は、少し気軽な書籍をご紹介します。外国での生活が長い主婦から見た外国人と日本人とのお金に関する考え方についての本ですが、それぞれ色々な考え方があって、非常におもしろい内容になっております。お金の投資法ばかりではなく、そもそもお金に関する考え方を一度、見直す事も大切な事ではないでしょうか?まずは、フランスから。

<目次>
第1章 お金を出さずにあるモノで、心豊かな生活
第2章 自分を知っているからわかる、いるモノ、いらないモノ
第3章 貯金とマイホームは時間をかけて
第4章 お金をかけずに楽しいバカンス
第5章 フランス流子育てのエスプリ
第6章 義理と冠婚葬祭にお金はいらない

フランスと言えば優雅なイメージがありますが、ここで紹介されている生活は、どちらかと言えば質素な生活ぶりが紹介されております。基本的には、フランス人はお金を使わないですませようとするとのこと。また、買えないものは、欲しがらない。お金がなかったらないで、ないのだから仕方がないと諦める。こう言うと何か絶望感が漂っているように聞こえますが、もちろん、我々が知っているフランスは、優雅で、かっこいいわけで、不思議ですね。そのあたりを、フランス生活20年の著者が、わかりやすく説明してくれます。読んでいくとわかりますが、決してみんな裕福なわけではないので、贅沢は出来ないわけですが、それでも、親から子へ、子から孫へ大切に引き継がれていくピカピカの銀のカトラリーのエピソードや、バカンスやパーティーを楽しむ生活は、実際のところどんなものなのかを一度、読んでみてはいかがでしょうか?

次回以降では、イギリス人、アメリカ人についてもご紹介したいと思います。我々は、もっとお金が必要なので、一生懸命働いて、投資についても勉強するわけですが、それ以前に自分たちの金銭感覚を見直すだけでも、ずいぶんと幸せになるのではないかと、考えさせられます。


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